外聞、手利き、人挨拶、世帯、敷金(しきがね)、閨(ねや)の花
--- 世間妾形気‐一
時代劇のキャラクター達は皆個性的です。 外見が個性的といえば、柳生十兵衛の隻眼や丹下左膳の隻眼隻手は有名なところです。 性格の個性といえば、眠狂四郎や木枯し紋次郎のニヒリズムがおなじみです。
そうした外見的な特徴や内面的な性格を、 「秘伝の声」ではルールとして取り入れました。 外見の個性からキャラクターの背景を考えるのも面白いものです。 また、性格はキャラクターを演じる上での指針にもなるでしょう。
三ノ一 特徴 |
特徴は身体上の特に目立つ点や癖などを表すものです。 特徴によって行動が制限されたり、よい方向に作用したりする場合もあります。
特徴にはそれぞれ消費CPが決められており、 それを基本CPから消費することによってキャラクターは特徴を得ることが できます。 ただし、消費CPがマイナスで表されているときは注意が必要です。 例えば、消費CPが -5 の特徴を取るときには、 -5 CPを基本CPから引くことになります。 よって、この場合、基本CPに +5 されることになります。
特徴は最高三つまで取得することができます。 取得したくない場合には、一つもとらなくてもかまいません。
特徴は、キャラクターの行動に制限を加える場合があります。 例えば隻腕の剣士が両手槍を使うことはできませんし、 盲目の座頭が目の前を通った猫の色を判別することはできないでしょう。 このように無条件で行動に制限を与える場合があります。 さらに、行動判定に修正が加えられる場合があります。 ある特徴によって行動が困難になる、あるいは有利になると考えられる場合、 行動の判定値にその特徴の消費CPをそのまま修正として加えて判定します。 特に説明がある場合はそちらの修正を利用して判定します。
次に、「秘伝の声」に用意されている特徴を挙げます。 なお、あげられている特徴の一覧を特徴リストに示します。
キャラクターの顔の美醜とその程度を表します。消費CP値がマイナスであれば醜く、プラスであれば美しくなります。
片腕が生まれつき、或は、何らかの後天的的理由で損失しています。両手 を使う作業が出来ませんが、片手だけの作業であれば(それが高度なバラ ンス感覚を必要としない限り)不自由なく行えるでしょう。
片方の目を失ったか、或は視力がありません。従って距離感覚が非常に乏 しいので、目算で距離を測ったり、精密な作業、戦闘(特に発射武器の使 用)等に制限を受けます。
両の目から光を奪われてしまいました。様々な行動に大きな支障を生じ、 また、職業選択にも制限が付きます。座頭となって、按摩、門付き、金貸 しなどになるのが一般的でしょう。
遠くの景色や、ちょっと離れた程度の細かい文字などが見られません。こ の特徴でも発射武器の使用に制限、または修正が加えられます。眼鏡を掛 ける事によって制限が取り除けられますが、職業・経済状況などによる眼 鏡の入手の制限があるでしょう。
近くの物が霞んで見えません。老眼鏡や虫眼鏡無しでの読書はかなり困難 になりますし、精密な作業にも向いてません。こちらでもやはり、眼鏡の 入手に職業等による制限があります。
色の見分けが出来ません。日常生活に大きな支障はないものの、色の見分 けが必要な場面では大きな不便を感じるでしょう。
耳が全く聞こえません。言葉も片言しか喋れず、それも、人によっては通 じない事の方が多いでしょう。身振り手振りで意思を伝え、情報は視覚に 頼る事になります。
キャラクターの声の美醜とその程度を表します。消費CP値がマイナスで あると悪声に、プラスであれば美声になります。
耳が遠く、そのため、微かな物音や囁き声といったものは聞き取れません。
片足を喪失しています。松葉杖を用いなければ移動出来ませんし、それでも、普通の人に比べると格段に劣る速度での移動となるでしょう。
痺れや、麻痺などで、片足を思うままに動かす事が出来ません。杖無しに歩行は出来ますが、杖に頼った方が遥かに楽ですし、速いでしょう。また、走る事は出来ません。
キャラクターの肥満の度合を示します。-3 では、太り気味です。恰幅の良い中年なみの肥満といった所でしょう。-5 では、見る者に軽い不快感を与える程になります。ちょっと体を動かしただけで動悸、息切れなどが出易くなります。-10 では、相撲取り並みか、それ以上になります(しかも、相撲取りならその多くが筋肉ですが、この特徴のキャラは贅肉だらけなのです!)。もはや病的とも言え、起居にも不自由します。
一般の人に比べて痩せています。-2 では、ひょろひょろとした感じで、 頼りなさを見る者に感じさせます。それでも、女性や役者・陰間等であれ ば、それも魅力の一つになり得る程度です。-5 であれば、もはや骨と 皮ばかりで、悲壮感を漂わせます。栄養状態が悪く、健康にも影響が出て きます。
おおよその身長を示します。 男性の場合:五尺一寸から五尺三寸を基準とし、一寸毎にプラスマイナス 1されます。高いほうがプラスです。 女性の場合:五尺から五尺二寸を基準とし、低い場合は一寸毎に -1 され、高い場合は五分毎に +1 (一寸毎に +2)されます。
キャラクターの筋肉の付き具合を示します。スポーツ好き(+2)、一流 アマチュアスポーツ選手(+5)、かなり鍛えあげている人(+8)、ボ ディビルダー(+10)を目安に消費CPを決めて下さい。但し、女性キャラは +5 を上限とします。
不治の病に冒されており、余命3年もありません。不治の病の為に発作持ちでもあるので、特徴「発作」と同様に、行動不能に陥る危険があります。
緊張状態に置かれると持病の発作が起こりやすくなります。例えば対峙のときなど、緊張状態にある場合、気合い判定をして失敗すると発作が出てしまい、1Dターンの間行動不能に陥ります。どのような場合が「緊張状態」になるかどうかはGMの判断で決めてください。「不治の病」と同時にとることはできません。
ある(一種類の物の)中毒にかかっています。ゲーム内時間で一日摂取し ないでいると、再び摂取するまでのすべての判定に対し、消費CPと同じ 修正を受けます。消費CPは、たばこの中毒で -5、阿片中毒で -20 を 目安に、GMと相談して決めて下さい。
ある物の好き嫌いであるとか、ちょっとだけ何かが苦手であるとか、よく頭などに手をやったりだとか、ほんのちょっとした、プレイを大きく妨げない程度の些細な癖です。例えば同じ「蜘蛛が嫌い」でも、「(蜘蛛)恐怖症」でしたら判定に修正がかかりますが、「癖(蜘蛛が嫌い)」ですとそういうロールプレイをすればよいのです。
何か一種、徹底的に苦手な物があります。苦手な物が目に見えていたり、近くにあるなどという場面では、判定に修正がかかります。
酒に対する身体の耐性を示します。-5 だと奈良漬を口にしても酔ってしまい、+5 だと一斗の清酒もイケます。酒を飲んでから一眠りするまでの間のすべての行動判定には難易度の修正が入りますが(五ノ七「さまざまな判定」参照)、この修正を軽減できます。
身体の一部に刺青を彫っています。絵柄の大きさにより消費CPも異なってきます。
「入れ墨」は「刺青」と異なります。前科者の証しとして、二の腕辺りに 彫られるのが入れ墨です。従って、入れ墨をしている者は前科者であると いうことで、様々な面で、不自由をしいられるでしょう。
年寄りでない男性に限る特徴です。男性の象徴を勃(た)たせられない、女性を悦ばすことの出来ない体です。その原因は、病気の後遺症なり、過去の経験のトラウマなりさまざまです。プレイヤーが自由に決めて下さい。
俗にいう「鳥目」です。 夕方や夜といった時刻や、雨などで暗くなった室内などでは、目が見えません。 特に夜になると、行灯や蝋燭、提灯等の照明用具も役に立ちません。ビタミンAの不足によってこの病に冒されます。
体の一部に火傷跡があり、その場所は赤くなっていたり、ただれたようになっていたりします。場所と大きさによってCPが異なります。顔ですと、全面(-10)、約半分(-7)、卵大(-3)などです。着物に隠されない部分(頚部、手、脛等)は-1〜-7ぐらい。着物に隠される場所は、-1〜-4程度です。GMと相談して決めて下さい。
但し、二の腕の入れ墨を消した場合は、入れ墨の-10に加え-5されます。江戸時代の当時、この様な事をすると重罪になったからです。
三ノ二 性格 |
性格は、その人物の生まれながらの内面的な性質を表すものです。 特徴と同じく、性格もキャラクターの行動にプラスになるときもマイナスになるときもあります。
取得方法は特徴と同じですが、 性格はどのキャラクターでも最低一つは取得しなければなりません。 次に、「秘伝の声」に用意されている性格を挙げます。 なお、あげられている性格の一覧を性格リストに示します。
自分が傷を負うことに対して過剰な恐怖を抱いていて、積極的な行動を起こすことが出来ません。自分の生命に関わることを無理にしようという場合には、気合判定が必要になります。
内向的な性格で、他人との接触に消極的な人見知り屋です。自分から他人に話し掛ける事はしませんし、話し掛けられてもおどおどとしてしまいます。交渉等の行動判定に修正がかかります。
事ある毎にトラブルを起こそうとする厄介者です。弱い者いじめが好きで、他人が困っているのを見て喜ぶタイプです。
物事を腕力で解決したがる乱暴者です。何かあるとすぐに戦闘・競争に持ち込もうとします。売らなくて良い喧嘩を売ったり、買わなくて済む喧嘩を買ったりする事もしばしです。
感情が激しやすく、怒りっぽい性格です。挑発に乗りやすく、〈精神力〉判定に失敗すると、攻撃的な行動を起こします。
気が短く、せっかち。じっとしている事が大嫌いで、長時間凝然としていられません。戦闘中においては、「対峙」の状態が三回以上続くと、「先手判定」に負けたのと同じ条件で攻撃を仕掛けます。
大変に義理堅く、他人から受けた恩義には必ず報いようとします。
浪花節的な話に弱く、不幸な境涯の人や困っている人をほうっておけず、一肌脱ごうとする人情家です。親分(姉御)肌な人物だとも言えるでしょう。
金であれ労力であれ、自分のものを他人のために使う事をひどく嫌います。 また、自分の為に使う事であってさえも、極力少なく済まそうとします。 常に損得勘定が行動の指針となっています。
全てを自分本意に考え、他人の気持ちを考えに入れません。他人に酷い事をしたり、傷つけたりといった事を平気でします。
融通が利かず、自分の考えを簡単には曲げません。他人の意見が正しいものであっても、自分のものが誤りであるとはっきり判るまでは、改める事はありません。
目上の人間に対して常に下手に出て、こびへつらい追従などして、気に入られようとします。「寄らば大樹の影」、「長い物には巻かれろ、大きい物にはくるまれろ」を地で行きます。
他人との衝突を嫌って、自分の意見を持とうとせず、他人(ひと)の言う事に反対しません。
意識、無意識のうちに、相手を自分より程度の低い人間だと思いがちで、よく高飛車な態度に出ます。目上に対する時に、それを押さえられるか(-5)否か(-10)で消費CPに差が出ます。
戦いにおいて、相手の息の根を自分の手で止める事に無上の喜びを持ち、敵を生かして帰す事が出来ません。相手が降伏をしてきた場合などでも、精神力判定に成功しない限りは殺そうとします。
独り合点な思い込みをしがちで、程度によっては現実と妄想の境を失います。良く言えば「夢見がち」、悪く言えば「イッちゃってる」者で、消費CPにより程度に差があります。思い込みが激しい(-3)、やや誇大妄想気味(-7)、壮大な誇大妄想を持つ(-10)を参考に決定して下さい。
常に、自分の行動は正しい、自分のする事に間違いの有ろう筈が無い、等と思い込んでいて、そんな自分の失敗する事など考えられません。
自分より優れた人間や、自分に無いものを持っている人間に対して、邪魔をしたい、傷つけたい等の感情(時には憎しみさえも)を抱きやすい人です。
金、富といった物に目がなく、かなり欲深な者です。金を手に入れるという目標の為には悪どい事も出来るでしょう。
嘘をつく事に非常な嫌悪感を抱いています。嘘をつく場合は精神力判定が必要で、しかも、相手が嘘を見破る時にはマイナスの修正がかけられます。 さらに、特技「うそ」がとれません。
あらゆることに真面目に取り組み、一切手をぬく事が出来ません。また、卑怯な行動を嫌い、正々堂々と物事に当ります。
主君(主人)や師匠に心から尽くそうとし、場合によっては命さえ棄てることも厭わないでしょう。まして、その命(めい)に逆らう事など一切できません。
どんな行動にも面倒臭がり、特に、肉体的な労働を嫌がります。
とにかく何か行動を起こしたくて、自分の感情の赴くまま、考える前に行動を起こします。あまり、深く考えるような事は苦手です。
戦闘・暴力を否定しています。何があっても戦う事が出来ない(-10)か、自衛のためにしか戦えず、相手を殺せない(-5)の2種類あります。
他人を疑う事を知らず(あるいは、疑う事が嫌いで)、気が好すぎるので言われた事を何でもを鵜呑みにし易い人です。また他人の頼みを安請け合いしがちで、そのため、よく馬鹿を見る事にもなるでしょう
自分を飾る事が嫌いで、あるがままに振る舞います。また、無駄口を叩く事も好きではなく、人によっては無口な印象を与えます。しかし、(「内気」を取っていなければ)他人との接触を拒んでいる訳ではありません。
性に対する欲求が深く、多くの異性との(あるいは、そういう性癖があるのなら同性でも)交情を常に求めています。行き交う者に目を奪われたり、知り合ったのならしきりに口説いたりと、その手の行動には積極的です。消費CPによりその程度に差があり、異性(同性?)と見たら誰にでも(-10)、好みにあえば(-7)、巷でちょいと評判になるくらいなら(-4)といった辺りを参考にして下さい。
他人が困ったり怒ったりするのが好きで、または、構って欲しくて、悪戯を仕掛けたりして喜びます。と言っても、相手が相当深刻になるようなものでなく、大抵邪気の無いものばかりです。後ろから「ワッ!」と言って脅かす程度(-1)から、大掛かりで、関係ない多くの人まで巻き込んでしまうもの(-10)まで、消費CPにより程度の差があります。
普通の人の理解を超越した趣味・思想を持っています。また、それに関連した目標があれば、何がなんでも達成しようとします。それに関しては他人の意見を受け入れる事は絶対にありません。
人と話すのが大好きで、沈黙と静寂が苦手です。社交的なのは良いのですが、口の軽すぎるきらいが有ります。この性格を持った人とは内緒話は避けた方が無難です。
たとえ悪い状況に追い込まれようとも、常に良い方向に考えます。また、失敗したとしても、くよくよする事は有りえません。良く言えば「ポジティブ」な考え方をします。
異性に性欲を感じる事が出来ません。従って両刀遣い(バイセクシャル)とは違います。 もし他人に知られた場合には、その方面に理解の無い人からは、白い目を向けられるでしょう。
すべての存在を虚しいものと考え、憎み、無駄だと思っています。 その目は自分にも向けられ、自分の存在や生を希薄に感じています。 他人との接触を嫌い、積極的に他人の為に何かを働く事はしません。
他人の目を常に意識していて、実際以上により良く見せようとしています。 また、それが実(じつ)を伴っている場合でも、妙に気取って嫌みっぽく感じられます。
やや世情に疎く、無粋で、世俗に通じていない人です。若いPCですと「世間知らず」に思われるでしょうし、良識人的に信頼を集めているような人だと「(良い意味でも悪い意味でも)聖人」と思われるでしょう。