はじめに

本格時代劇RPG「秘伝の声」増補版「吉原御免状」をお送りいたします。

本増補版は、江戸に実在した、幕府公認の風俗街・吉原にスポットを当てるものです。

時代劇にも吉原はたびたび登場しますが、その実体はあまり知られていないのではないでしょうか？

本増補版では、あまり知られていない吉原の実像に迫ります。また、吉原以外の非公認の色町・岡場所や、様々な娼婦についても詳細に解説します。今回ももちろん、膨大な資料をサルベージしたデータ、ゲームに導入する新データや追加ルールなども準備されています。

これまでに発表されたあらゆるRPGの中でも、ここまで娼婦や性風俗を詳細に解説したサプリメントはなかったのではないでしょうか。本増補版は、 RPG史上類を見ない異色のサプリメントと言うことができるでしょう。

しかし、本増補版は詳細な史実資料を提供するだけが目的ではありません。いままで「秘伝の声」では提供されなかった壮大なキャンペーンソースが含まれています。

原作である「吉原御免状」は、将軍綱吉から吉宗の時代を経て、幕末まで書きつづられる予定だったといいます。しかし、隆慶一郎氏の死去により、「かくれさと苦界行」以降の物語は語られることはなくなってしまいました。

吉原には重大な秘密が隠されています。それは徳川幕府を転覆させることが出来るほど強力なものです。吉原の正体とは？吉原を幕府公認としている「神君御免状」に隠された秘密とは？吉原を狙う影の暗殺者達の正体とは？数多く登場する歴史上の人物に隠された驚くべき顔とは？

本増補版は、その「吉原御免状」の世界を壮大なキャンペーンの舞台として提供します。原作の続きを語るのは、この増補版を手にしているあなたなのです。

今回、「吉原御免状」の執筆を担当するのは、これが初めての同人誌執筆となる大波多秀典君。彼は週刊少年ジャンプ連載「花の慶次」以来、隆慶一郎作品にどっぷりとはまりつくし、増補版を書くなら「吉原御免状」と思い極めていました。

本文百ページ超、ついには現地ロケまで果たした本増補版は、まさに、大波多君の情熱が形になった本といえるでしょう。

RPG史上希にみる異色作にして、火盗改メの自信作。「吉原御免状」を手に、壮大な浪漫の世界へと踏み出しましょう！

火盗改メ(いちおう)代表

富田浩之

次の章へ目次へ