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'99年夏コミレポート (モドキ)

小笠原徳彦 '99.08.15 (08.18 小改訂)


はじめに

暑い中に暑い夏ってことで、今年も夏コミがやってきました。といっても私、私事ながら1年ほどアメリカに行っておりました関係上、2年ぶりの夏コミであります。カリフォルニアの乾いた天気にすっかり馴染んだ体には有明の夏は厳しいです (^^;)

ってことですが、悲しいかな私ずっと友人のスペースで売り子してまして、ほかのRPG関連はもちろんのこと、我が火盗改メのスペースすらろくに行かなかったりしたのです。ぐすん。でもまあ、何人かのお客様とは実際に話すこともでき、毎回買っているプロダクツに関しては友人に頼んで買ってもらったりしたので、けっこう充実してたといえば言えるのかな?

ということで、そーゆー適当な参加しかしてなかった私こと小笠原徳彦のコミケレポートモドキです。


火盗改メにとっての '99 年夏コミ

手元の資料に寄れば、火盗改メの初めてのコミケサークル参加 (というか筆者に至っては翌夏がコミケ自体の初参加だったりもする ^^;) は93年末。前回 ('98) 冬が初落選でしたが「Dr.リーの Lab.」で委託していただいたことから、かれこれ今回で12回 (自分のスペースで出すので11回) 目ってことになります。すごいですねぇ。まあ、ほかの同人誌即売会の類にはいっさい出てませんし通販もしてないんで、のんびりしてるといえばそうなんですが。

でまあ、それなりに長いことやっていると、最初の頃とは我々自身も周囲を取り巻く状況も変わってきているとは思います。
我々について言えば、最初はなにも分からずガムシャラに走ってもオッケーだったんですが、最近はちょっと考えないとダメになってきたってことでしょうかね。

最初の頃は「仕掛人出して、捕物出して、剣豪出して」……ってやっていって、自分たちの出したい増補版がわりと万人に求められるモノだっただけにそこそこ売れてました。売れるっていってもウチの本って印刷費用だけでトントンちょい赤字だからさほど楽ではなかったですけれども。

ところが今だと、まず一般性の高い (基本ルールを買った人なら誰でも欲しがる)、ってネタはもう割と尽きている。しかも版を重ねた基本ルールや増補版は、一度買っていただいた皆様に再度買っていただくだけの意味があるか、そもそもポンポン改訂版を出して、前に買っていただいたお客様から新たにまた金を取るのは宜しくないのではないか、ってなことを考えると、「まずは書きたいから書く」ってだけではダメなんですよねえ。ただ、好きなモン作ってればよいってのは同人の特権ですから、これからも採算無視で行くでしょうケド。

まあそんなことを考えながら今回も新刊作って売ったわけなんです。で、結果。

タイトル部数
基本ルールブック「秘伝の声」第三版25
仕掛人増補版「殺しの掟」17
捕物帳増補版「八百八町捕物控」第三版対応版17
江戸街風俗案内増補版「吉原御免状」25
るろうに剣心増補版「明治剣客浪漫譚」19
侍魂増補版「修羅の道なり」11
114

総売り上げの114部は過去最高記録!皆様に感謝の限りです。
一方、増補版一つあたりの冊数を見るとやっぱり最盛期 (過去最高は「日本剣豪譚(演遊編)」の41部) から見て落ちてますが、まあこれは前述のとおり難しい時期にきたのでしょうがないかなと。

ご好評いただいた新刊はやっぱり「吉原御免状」 (25冊)。「タイトルからしてシビレル」って声も聞きましたし、隆慶一郎先生の人気にも助けられたところもあったのでしょうが、タイトル負けしない内容の充実も評価されたのではないかと考えています。まあ、性風俗といってしまうと今の風俗産業と比べてしまいちょいとアレですが、江戸時代を語るにはまず避けて通れない娯楽ですからね。まだ一般性も無くはない。

「明治剣客浪漫譚」 (19冊)に関しても、「秘伝の声」の目指す本格時代劇とはちょいと毛色が異なりますが、わりと好意的に受け止めていただいたんじゃないかと感じました。私としてはこういう「本格時代劇以外を再現する試み」ってのは (以前出した「修羅の道なり」も含めて) 「秘伝の声」の可能性を広げるって意義が大きいと思います。って「修羅の道なり」のときにも書いたな。

それからお買い上げの傾向として、けっこう「一気買い」、つまり初購入で全プロダクツ制覇って方がいらっしゃるんですよね。ありがたい限りですねぇ。それから「新刊を欠かさず買っている」って方も。同人冥利に尽きる瞬間であります。この場を借りて改めてお礼をば。ありがとうございます。

あといくつか受けた質問にここでお答え。

「忍者モノはできないんですか?」むむっ、のっけから厳しい。これは大きな宿題ですねぇ。ニーズは高いし題材も面白いのでぜひ欲しいところなんですが書く人がいないです。「影の軍団」と白土三平あたりの再現を目指す、とすれば「秘伝の声」の現行ルールを大きく変えることなく再現が可能かな? と思いますので検討はしたいですね。でも何時になるかなあ (^^;)。

「剣豪モノはないんですか?」すみません今絶版です。しかも著者がサボってて改訂作業してませんでした。まあ今回も誤植修正レベルかなぁとは思ってるんですが、精神戦の要素をさらにパワーアップしたいとか構想はあるんでこれは別途かな? アイディアが固まったら Web で公開するかも。


ワタクシにとっての '99 年夏コミ

まずは……、とにかく暑かった。死ぬかと思いましたよ。売り子しかしてねぇのに。
着ぐるみ系のコスプレしてる皆様は尊敬に値しますな。
あと某アーケードゲーム系ML関係の知り合いにぞろぞろあったのが笑えましたトカ。

まあそれはさておくとして。
今回は、例年はうろつくゲーム電源不要ですらまともに見なかった体たらくですのでアレですが、やはりRPGは全体的に低調なのかナァ……なんて思っちゃいますねぇ。そういう目で見てるからって話はありますけど。

そんな中でも、私が売り子してた友人のサークルは、N◎VAとGURPS妖魔夜行と学園戦国エルジェネシスのリプレイが主な売り物だったんですが、前二者はヤッパリ人気ありますねぇ。指名買いっていうか「N◎VAの新刊あります?」って聞き方で買いに来る人が多いし。売り子してたらFEAR (N◎VA、エルジェネ、スペオペヒーローズなどの作成元。グランディアの監修なんかもしてたよーな) の人が来たりしてちょっと驚いちゃいました。HJ、SNEが頼りにならん (いや、後者はもとから頼ってないが ^^;)今、FEARの活動にはそれなりに注目してるのでがんばって欲しいナリよ。

さて私自身の買い物ですが、やはり RQ 関係が主。TOME Book 3, Vol.1 の完成度はすごいですねぇ。ほへーさんところの本は相変わらずだし。前回も書きましたが、RQ ってプレイヤー人口の割には同人活動が活発ですよね。それだけ愛される世界だってこと。ということで、みんなも RQ しようぜっ!

あとは毎回楽しみにしている奉仕の会の Paranoia 本、今回は「行きつけのHPD&MC」であり、笑いあり涙…はねぇな、とにかく面白すぎます。メチャ俺的ヒット。やっぱいいなあ Paranoia。

……あ〜一部の方。あんまり睨まないで。分かったよマスターすればいいんでしょう (^^;)。年内にはやるから怒んないで (^^;;)

RPG関係以外では芸人ギルド監修のオラタンってーかバル攻略系同人誌「芸メスト」を入手できたのは嬉しかったわん。これでがんばって練習して強く……はともかくとして上手くなりたいなあ。


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