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セガサターン版「維新の嵐」

小笠原徳彦 '97.10.23


光栄から昔パソコン用に出ていた「リコエイションゲーム (笑)」である「維新の嵐」のサターン版が出たので買ってきました。まさか移植されるとは思っていなかった (笑)


「維新の嵐」は、タイトルのとおり、明治維新を描いたゲームです。プレイヤーは「尊王派」「佐幕派」「公儀派」の中から一人の「要人」を選び、17個の雄藩を思想統一、または討幕 (もちろん佐幕派以外) することを目指すゲームです。思想統一のためには、各藩に属する要人 (藩主・家老・重臣・藩士) を「説得」して、藩論を自分と同じにしていきます。

この「説得」というシステムが「維新の嵐」の特徴といったところでしょうね。


まずはゲームとしてみた「維新の嵐」。

説得のシステムはカードバトルです。ランダムに提示された話題について、手札に配られたカードを出しつづけ、出せなくなったほうが負け、というものになっています。でま、要人の能力値に応じて、話題によってはカードが出せなかったりするし、また身分差が大きいと説得の威力も変わってきたりします。

実際プレイしてみると、戦略性よりも能力差とカード運の要素のほうが強いように思えます。能力差・身分差を戦略でひっくり返すことは割と困難 (でも同じ程度の能力・身分だと説得しやすいのはCPUがものすごく頭悪いからか ^^;) なのに対して、結構能力はこちらが上回っているのに、カード運が悪いとあっさり負けてしまったりします。これを緊張感があるというか不条理だと感じるかは各人によると思いますが、はっきりいって私はむかつきました (苦笑)

PC藩に比べて、藩の数を雄藩の数だけに絞り込んだのは正解でしょう。これによってゲームの見通しがよくなり、目標が立て易くなっています。特に思想統一についてはかなり楽になっています。

雄藩の藩主を「同志」にすることでその藩を運営できるのですが、これは私のプレイではまだ経験していないので、どんなものか分かりません。あ、井伊直弼でプレイすればいいのか。

「同志」に対する指示で「何々を学ぶ」「だれだれを説得」などと指定できなくなったのは大きなスペックダウン。目的の要人を探すのに自分で駆けずり回らなくてはならないのは面倒です。そんなんコンピュータが勝手にやってくれよ、というのは贅沢?

難易度は気軽にプレイするにはいいけど、もう少し難しくてもいいんじゃないかなーと思います。特に説得では、もっと相手が知的に見えるようにしたほうがよかったかと。現状だといかにもカード運で勝ってる、というのがバレバレで興ざめ。1対1だからアルゴリズムをかしこくするのは難しくないと思うんだけどなぁ。


さて、「秘伝の声」の資料として「維新の嵐」を見ると、ですね。

まずはマニュアル。PC版のマニュアルは「明治維新ハンドブック」というか、読み物として結構読ませるモノが付いてきていたんですが、「ずいぶん貧弱になっちゃったなぁ」ってな感じですか。ま、サターンのソフトということでしょうがないのでしょうが、でもオンラインヘルプとかで対応して欲しかった。

あとウリとして「200人以上の要人」というのがあるんですが、なんつーか、名前と身分と思想と能力値だけ分かるだけですからねぇ。あ、顔もなんとなく分かりますが (笑) ちょっと資料としては弱い。「個人情報」とかいって、各要人のデータベースがついてきたりすれば楽しかったのに。

PC版ではもう少し頻繁に事件が起こった気がするんですけど、サターン版では事件ってあんまり起きません。維新の雰囲気を描くのも、もう一歩かなぁ。

と、いうことで、「秘伝の声」の参考にはちょっとならないかな、という感じ。ネタ拾いぐらいには使えるかもしれませんが、「秘伝の声」で幕末物をやるときの資料としては使えないでしょう。


でもま、明治維新が好きだったらそれなりに楽しいとは思います。なんだかんだいって私も気に入っているし。もし「父子鷹」「竜馬がゆく」などを読んで感動したクチはプレイするとよいのではないでしょうか。


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