流派自作のススメ

掲示板でおなじみ、火盗改メの閣外協力員？ SON-D さんより掲示板に投稿いただいた内容を HTML 化しました。(2001.12.28 おがさわらなるひこ)

ボクの好きな剣術の流派に「愛洲陰流」があります。愛洲委香斎（だったかな）を開祖とする陰流の系譜のスタートとなる偉大な流派です。その真実の姿は正直不明な点が多いです。
ボクは前回の体験会で愛洲陰流の使い手を登場させましたが、ボクの持つ同流のイメージは以下ようです。日本剣豪譚風に書くとこんな感じになります。

愛洲陰流(あいすかげ(の)りゅう)

開祖

愛洲移香斎(あいすいこうさい)
生まれは日向、水軍と関係があったのは間違い無い。
成立

戦国中期
歴史・概要

戦国中期（これも定かではない）に成立したとされますが、おそらく中国武術と日本刀による剣術の融合がこの時代に行われたのではないでしょうか？　おもに九州・中国・四国地方の水軍衆（海賊）達の間に広まりました。中国に残る倭寇の資料の中に、愛洲陰流の目録を持った倭寇の記述があるので愛洲陰流は「倭寇の剣」なのかもしれません。江戸中期には伝承するものはほとんど無く、流派としては絶えているといえるでしょう。
特徴
愛洲陰流の技の名前の中には「浦波」「浮舟」など舟や海に関するものが多く含まれています。使う剣客達もみな海賊ですから、ゆれる船の上での戦い方が研究されていたのは間違い無いでしょう。また、同じ九州で陰流の流れを汲む「タイ捨流」が「飛び回り斬りたてる」激しい剣である事から愛洲陰流も戦国の気風を伝える荒ぶる剣であるのは想像に難くありません。
流派別オプションルール

八艘跳び（適応レベル：5）
愛洲陰流はゆれる船の上でも自在に動けるための修業を行うため足元が不安定な状況での闘いに強い。よって、本来行動にペナルティを受けるような足場の修正を無効化することが出きる。 足場のペナルティ修正（例）

①階段や凸凹の多い建造物の中　　　（－１）
②雨上がりのぬかるんだ地面　　　　（－２）
③移動中の屋形船、吊り橋の上など　（－３）
④竹足場、橋の欄干の上　　　　　　（－４）
⑤油を塗った床、底無し沼　　　　　（－５）

先の先（適応：全レベル）
愛洲陰流はまず先に動き、相手が応じるさらに先を打つことを奥義とします。よって、先手判定に勝って先手を取った場合、間合いを調整しての攻撃にマイナスペナルティを受けません。

とまあこんなモンでしょうか。前回の体験会ではこのデータでＮＰＣは使用していました。ゲームマスターが「示現流の使い手を海上におびき出して斬殺する」ためだけに作ったデータなので少し歪んでいますがご容赦を。
日本には本当に数多くの剣術その他の流派があってはっきり言って把握できません。そこでＧＭが自分で流派を自作するための例として挙げて見たのですがどうでしょう？
流派自作のコツは、流派のイメージを明確に持つことと関連する流派はなにか確認する事です。
牛若丸の「鞍馬流」を自作するとします。鞍馬流も愛洲陰流と同様に軽快なイメージがあります。系譜としては中条流の流れを汲みますから「小太刀が得意」ということにするのはどうでしょう。こうして、鞍馬流は「短めの打刀もしくは大脇差を使用して軽快に動き回る変幻自在の剣術」という設定を作り上げるのです。流派別のオプションは他の流派とのバランスを考えて作ると良いでしょう。
みんなもルール自作しようぜ！
ちなみにボクが愛洲陰流に上記のようなイメージを持ったのには、幼少期のある体験に原因があるのですが・・・。
それはまた別の機会にでも。
でわ。　ＳＯＮ－Ｄでした。

①階段や凸凹の多い建造物の中	（－１）
②雨上がりのぬかるんだ地面	（－２）
③移動中の屋形船、吊り橋の上など	（－３）
④竹足場、橋の欄干の上	（－４）
⑤油を塗った床、底無し沼	（－５）