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はじめに


「明治剣客浪漫譚」は漫画「るろうに剣心」を本格時代劇RPG「秘伝の声」で遊ぶためのサプリメントです。

「火盗改メ、血迷ったか?」

「秘伝の声」ファンの方々はみなさんそう思ったことでしょう。


本格時代劇を指向する「秘伝の声」にあって、この「明治剣客浪漫譚」は漫画が原作、それも週刊少年ジャンプ連載という、おおよそ本格時代劇からかけはなれた題材です。

しかし、「るろうに剣心」は、それ以上に時代劇の伝統的なパターンを保っている作品と見ることができるでしょう。十字傷や逆刃刀といった特徴、独自設定の剣術流派と必殺技、まさに時代劇の主人公の公式通りです。また、流浪人という造語や、背景に深く絡んでくる幕末の設定、斉藤一など歴史上の人物が登場したりと、時代小説的な面白さも加わっています。

特に1巻から7巻まではジャンプ漫画としてよりは、時代物漫画として楽しむことができるのです。

このような時代劇的な楽しみを、ぜひ「秘伝の声」で提供していきたい、というのが本サプリメントの基本コンセプトでした。


筆者の高橋君は、読み切り短編「るろうに」が雑誌掲載の時からの筋金入りのファンです。当初は、必殺技などは廃し、この「るろうに」のようなより時代劇感覚に近い物を目指していました。

しかし、やはり原作ファンのみなさんは、派手な必殺技の応酬、スピード感のある戦闘シーンの再現を望んでいるのではないか? 我々製作者側はそれにこたえていくことも必要ではないか? と思うようになりました。


私たちにはすでに、「修羅の道なり」という前例があり、それをベースに、ジャンプ漫画的展開も再現できる「秘伝の声」を目指して製作してきました。この試みは、本来の「秘伝の声」とは方向性が180度違いますが、追加ルールによって、ある程度成功したと思います。

もちろん、本来の「秘伝の声」のコンセプトで「るろうに剣心」の世界が遊ぶこともできるように配慮されています。

また、火盗改メプロダクツの特徴である「リサーチ主義」も健在です。今回は「るろうに剣心」ガイドとしてのリサーチを徹底し、原作を読むに当たっての副読本として十分なデータを用意しています。


「明治剣客浪漫譚」は、原作のキャラクターを演じるゲームではありません。原作のストーリーをなぞるゲームでもありません。原作キャラのデータは用意されていますが、使うも使わないもプレイヤーの自由です。よち多くの楽しみを提供するために用意されたものなのです。

剣心や弥彦と共に事件に立ち向かうもよし、左之助と喧嘩するもよし、斉藤の配下について密命を帯びるもよし、女の子達といい仲になるもよし (笑)、黒笠の魔手から政府高官を守る用心棒になるもよし、原作者が不本意だったという雷十太編を再構築するもよし……。


そうです。

みなさんの浪漫譚は、この一冊からはじまるのです!

火盗改メ (いちおう) 代表 兼
コミケ申し込み・印刷所手配担当 兼
本書の監修者

富田浩之



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