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「秘伝の声」で始める RPG

第2回 RPG を始めよう

今回は、実際に RPG「秘伝の声」をプレイヤーとしてプレイするときの準備や、プレイ中やプレイ後に行うべきことについてお話します。

第1回でお話したとおり、RPGのプレイには一人のゲームマスターと、何人かのプレイヤーが必要です。あなたの周りに「秘伝の声」のゲームマスターをしてくれるという人と、他にプレイする仲間がいるならば、今回の内容を読めば一通り「秘伝の声」を楽しむことができるでしょう。

残念ながらだれもマスターができる人がいない? ご心配なく。そういう場合は、第3回を読んであなたがマスターをして、周りの皆さんを誘えばよいのですから (^^)。


◆プレイヤーのあなたが準備するもの

さて、「秘伝の声」を始めるには、なにが必要なのでしょうか? とりあえずどんどん挙げてみましょう。ただし、ゲームマスターが用意すべきモノについては今回は省略します。

ゲームマスターをしてくれる人・一緒にプレイヤーをする人

RPG は人と遊ぶものです。 何はともあれ、一緒にプレイする仲間を集めなくてはなりません。

人数は全部で4〜5人程度が適当でしょう。 もっと多くても少なくても構いませんが、最低3人、上限は (ゲームマスターにもよりますが) 10人といったところでしょうか。

その中の一人には、ゲームマスターをやってもらいましょう。 ゲームマスターは時代劇や時代小説にそれなりに親しんでいて、 RPG 経験者 (もちろん「秘伝の声」でなくてもかまいません) がよいでしょう。 もちろん、未経験者でもさほど難しいことではないのですが。 詳しくは第3回で書けると思います。

あとの人はプレイヤーとしてゲームに参加します。

場所と時間

これが実際のところ、難題かもしれません。RPG というのはけっこうな場所と時間を必要とするのです。

まず場所ですが、プレイできる人間が全員、相互に話し合うことができて、書き物が不自由なくできるだけの空間が必要です。5〜6人ならプレイする人の個人部屋でもよいでしょうが、人数が増えてくれば公民館などといった場所を借りることも必要になるでしょう。その場合、公共の場所であることを踏まえて、大切に使うことを忘れてはいけません。

時間ですが、キャラクターメイキング (個人設定) を含めて平均的なシナリオを一つ終わらせるのに、大体5〜6時間の連続した(もちろん、多少の中断なら構いませんが)時間が必要になります。スケジュールをやりくりして、なんとか時間を確保しましょう。休日なら1日使う覚悟が必要かもしれません。

「秘伝の声」ルールブックと増補版(サプリメント)

RPG のルールを完全に覚えることなど、たいていの人には不可能です。「秘伝の声」はさほど複雑なルールではありませんが、それでもあまり使うことのないルールも含めて覚えることはまず無理でしょう。ですから、ルールブックを手元においておき、それを時折参照しながらプレイをすすめることになります。

ルールブックは、同人誌をお買い上げ頂いたならもちろん、本WWWページからダウンロードしていただいたものでも構いません (けど、できれば買って欲しいです ^^;)。プレイする全員の中で最低1冊あればよいです。ただし、プレイの前、とくにキャラクターメイキングのときには複数のプレイヤーが参照しますので、なるべく多くの冊数があったほうがよいでしょう。

増補版は、そのときのプレイに関係するものを用意します。たとえば「修羅の道なり」や「日本剣豪譚(演遊編)」のオプションルールを用いたプレイをするなら必ず手元におかなければなりません。そうでなければなくてもよいのですが、一応あるとなにかと便利だと思います。この場合も多ければ多いほど便利だと思います。

筆記用具

キャラクターシート (個人設定用紙) に自分のキャラクターのデータを書いたり、あとメモを取ったり地図や説明図を描いたり、いろいろと使うシロモノです。特に個人設定用紙は書いたり消したりが多くなるので、鉛筆またはシャープペンシルがよいでしょう。また消しゴムは綺麗に消えて後が残らないモノを選びましょう。

また、メモを取るための紙があると何かと便利です。レポート用紙でも構わないのですが、オススメなのはノートを一冊買ってきて「RPG ノート」にしてしまうこと。RPG のプレイ中のメモなどはすべてそこに取れば、プレイの記録が残って後で楽しめます。

サイコロ (ダイス)

後述するとおり、「秘伝の声」を含むたいていの RPG では、ある行動が成功するかどうかを判定するのにサイコロ (ダイス) を用います。もしあなたがダイスを持っていなかったとしても、ゲーム中に誰かから借りれば事足ります。ですが、自分のダイスというのはやはり思い入れがあるものですよ。

「秘伝の声」で使うダイスは6面体ダイス、つまり普通のサイコロです。普通の玩具店で買えると思います。また、ホビーショップ (模型やボードゲーム・カードゲームなどを扱っているお店) に行けば、色とりどりのダイスが売っていますので、気に入ったものを買えばよいでしょう。ホビーショップになら、6面体以外のダイス (4面体・8面体・10面体など) も売っています。


◆とりあえず遊んでみよう

ええと、どうしても抽象論から入ってしまうのが悪い癖ですな。ということで、準備完了したらいよいよもって遊びましょう。まずは遊んでみることです。


○個人設定

さて、ゲームマスターから皆さんの手元に、「個人設定用紙」が配られたと思います。第1章 個人設定にしたがってエンピツまたはシャープペンシルで埋めていきましょう。個人設定例が参考になるでしょう。

多分、ゲームマスターのほうから「今日はこういうシナリオをやるから、こういうカンジのキャラクターにして」という注文が入るでしょう。ゲームマスターの説明する舞台のなかで活躍できて、なおかつ自分のプレイしてみたいキャラクターのイメージをまず考えて、それからそれをデータ化していくとよいでしょう。

作られたキャラクターはプレイ中ではあなたの分身となります。ここで注意したいのは、キャラクターの名前、背景、職業、性格、ときには性別は、あなたとは違う (こともある) ということです。特に「性格」は問題になりがちです。

たとえばあなたが陽気で社交的であっても、キャラクターが「虚無主義」の性格を持っているならば、プレイ中はそのように振る回らねばなりません。慣れないうちは往々にして、設定された性格をなぞることに一生懸命になって、のびのびとしたプレイが出来ない場合があります。はじめのうちは、自分の性格とあまり大きく異なる「性格」を取るのは避けたほうがよいでしょう。もちろん、慣れてくれば自分と違う性格のキャラクターを操るのは非常に面白い、挑戦しがいのある課題です。


○プレイ開始

さて、個人設定がすんだらプレイ開始です。

まずは、自己紹介から始めましょう。あなたのPCはあなたとは違う別の人間なのですから、彼または彼女がどんな人間かを一緒にプレイするみんなに知っておいてもらう必要があります。ちょっとした演技の練習を兼ねて、PCになった積もりで自己紹介をしてみましょう。

「拙者、木村平九郎と申す。浪人暮らしなれど剣の腕だけにはおぼえがござってな。一つよろしく頼む」

「私、橘屋孫八と申します。芝明神近くで小物商いをしております」

「おいら、松三ってんだ。松さんって呼んでくれよ。寄席通いに目がない、しがない遊び人だぁね」

といった感じで。

つぎに、一緒にプレイする仲間のキャラクターの名前を覚えましょう。といってもすぐにはなかなか難しいと思うので、まずはメモをとることをオススメします。メモには実際の席順に合わせて:

などを書いておくとよいでしょう。


○状況説明と行動宣言

RPG は、第1回でも書いたとおり、ゲームマスターによる状況説明に対してプレイヤーが行動宣言を行い、それに対してマスターは必要であれば行動判定を行う、の繰り返しで進んでいきます。

ゲームマスターの状況説明は、あなたのPCが五感でどんなものを感じているか、つまりどんな風景が目の前に展開し、どんな音が聞こえ、どんな匂いを感じるのか、を説明します。たとえば次のように。

三吉君、君は主人に頼まれた届け物をするために芝の小間物屋・橘屋に向かっているよ。太陽がじりじりと照り付けるような暑さで、歩いていると汗が噴き出してくる。さて、君が角を曲がると、こっちに向かって一人の男が走ってくるよ。その後ろから女の声がする。「そいつを捕まえとくれ! スリだよ!」

ゲームマスターが説明した状況において、三吉のプレイヤーは「三吉ならどうするだろう」と考えて、それをゲームマスターに伝えます。これが行動宣言です。

プレイヤー:マスター、そこに石とか落ちてる? 投げられそうな奴。
マスター:うん、落ちてるよ。
プレイヤー:じゃあ、石を拾って、その男に対して投げるよ。

行動宣言にあたって、行動を決めるために情報がもっと欲しいと思ったならば、ゲームマスターに遠慮なく質問しましょう。たとえば「江戸市中の道に石なんて落ちてないよな」といった思い込みは禁物です (たとえば「秘伝の声」で主に想定しているヒストリカルな江戸であれば、道に投げられる程度の石が落ちているのは普通でした)。必要と思われる情報は積極的に確認することが大切です。

行動を決めるに当たっては、現在の状況、あなたのPC (身分・特徴・性格・特技・技能など)、(現在明らかになっている)シナリオの目的、あなたのPCの個人的な目標、その他の要因を考えて、最も尤もらしい行動を選びましょう。

たとえば三吉は「正義漢 (なぜか「秘伝の声」にはこの性格がありませんね ^^;)」ですからスリを見過ごすことはできません。しかし彼は一介の商家の奉公人ですから、スリを捕まえられるような技能や特技は特に持っていません。そこで、遠くから礫を投げれば自分の危険は少ないのではないかと考えたのです。

どんな行動を取るにしても、あなたのPCの取った行動があなたのPCらしいか、その状況でふさわしい行動か、そしてシナリオコンセプトに合った行動か、といったことを考えるようにするといいでしょう。

と、難しいことを書きましたが、とりあえず失敗を恐れずどんどんやって場数を踏みましょう。ときどき振り返って反省して、バランスが崩れてきたかどうかをチェックする程度でよいでしょう。とにかく経験すれば、なにに気をつければよいか分かってくると思いますので。


○行動判定

さて、あなたが行動を選んだとき、それが本当にできるかどうかを決めるのが行動判定です。先ほどの続きを見てみましょう。

プレイヤー:じゃあ、石を拾って、その男の顔めがけて投げるよ。
マスター:じゃあねぇ……《投擲》持ってる? ないか。じゃあ〈器用〉で振って。難易度は1ね。マスターはダイスを2個振る。3と4で足して7。難易度を加えて8。えっと、目標値は8だ。

行動判定のルールは基本ルールブックの第5章 行動判定で解説されています。このとおり、ゲームマスターが技能か特技を指定するはずです。この場合《投擲》は特技ですが、三吉はこの特技を持っていません。このときは〈器用〉の値を用いて判定します。

プレイヤー:〈器用〉で8ね。了解。三吉の〈器用〉は1。ダイス目は1と6で、すべて足して8。ぎりぎり成功だね。
マスター:じゃあ、君の投げた礫は男の顔面に命中したよ。……

今回は技能・特技なしでしたが、ありの場合でもほとんど同じです。技能の場合は対応能力値も一緒に指定されるでしょう。たとえば次のように。

マスター:その男はそうだね、剣客風の身ごなしだね。
プレイヤー:その男、うーん、他流試合とかで見たことないかな?
マスター:じゃあ、《剣術》と〈知恵〉で難易度3、えっと、目標値12で振ってみてよ。

行動判定は決して難しくないと思います。ルールブックを見ればすぐに理解できると思います。慣れてきたらマスターから指示されるだけでなく、自分から行動判定を働きかけることもしてみましょう。

マスター:あたりは暗くてよく分からないなぁ。
プレイヤー:マスター、僕は特技《聞き耳》を持ってるんだけど、音でなにか分かることない?

このような積極的なアピールこそが、プレイをより楽しくしてくれるのです。


○行動宣言と演技 (99.03.22追加)

たびたび書いていますが、RPG というのは状況説明に対して行動宣言をし、必要な場合はそれについての行動判定を行うゲームです。蛇足ですが RPG のゲーム性というのはダイスを振ることではなくて適切な行動とはなんであるかを選ぶことにあると私は考えています。

ときどき、RPG の「ロールプレイング」という言葉を「役割演技」と訳し、「演技だから演劇風にセリフを語らなければならない」と思われている方もいるようです。しかし、それは誤解とは言わないまでも、RPG の本義からいえば外れています。「このキャラクターならどう行動するだろう」という状況判断と行動決定こそが「ロールプレイング」であり、決して演劇風の演技ではありません

演劇風の演技というのは、あるセリフをどのようにしゃべるか、ということを表現する方法の一つにすぎません。ですから、演劇風にセリフを語ることと、ト書き風に「彼は激怒して xxx のようなことを言ったよ」ということは別に区別はないのです。字が綺麗だったからといって小論文の試験の結果がよくならないのと同様、演技がすばらしかったからといって、RPG の本義である行動の的確さの判断には影響はないのです (ゲーム的に言えば、行動判定のダイスに修正を加えられたり、あるいは判定自身を省略したりといったことはない、ということです)。そこのところを誤解しないようにしてください。

しかし、しかしですよ。
RPG において、そのキャラクターらしいセリフがバッチシ決まったときの快感は、やはり RPG の醍醐味といえるでしょう。「恥ずかしいから」といってセリフをいわないでいつもト書き風では、RPG の一つの楽しみを捨てているとも言えます。なんといっても、カッコよく決まったら座布団だって貰えるじゃないですか (^^)。

RPG における演技というのは、料理における調味料の類いにあたるといえるのかもしれません。調味料を全く使わない料理は味気がありません。おいしい料理を作るためには調味料をしっかり使うべきです。しかし、調味料が表に立って素材の味が隠れた料理は、最初は旨く感じられるかもしれませんが結局飽きが来ます。なにごともバランスが肝心、ということでしょうか。


○戦闘

「秘伝の声」もそうですが、たいがいの RPG は、戦闘を上記の行動判定とは別の形で扱います。といいますか、行動判定はもちろん使うのですが、それに加えて特別なルールをいくつか用いるのです。

RPG における戦闘というのは、RPG の基本である「役割分担」をもっとも明確に体感できる分野です。剣での闘いを得意とするもの、弓矢 (や砲術) による先制を得意とするもの、応援や後方支援に徹するもの、のように、己の果たすべき役割を個人個人が把握することが、勝利の近道となるでしょう。

さて一般論はこのぐらいにして、「秘伝の声」「秘伝の声」の戦闘は、大きく次の二つに分かれます。

雑魚戦闘

時代劇における大立ち回りを再現したルールです。ヒーローであるプレイヤーは大立ち回りで死ぬことはまずありません。雑魚をバッタバッタと爽快になぎ倒しましょう。

ただしもちろん、敵の数が非常に多かったり、こちらが戦力的に今一つだったりする場合には負けることありえます。負けた場合は「死ぬことはない」といっても、相手に捕らえられるとか、袋叩きにされて追い返されるとか、いずれにせよあまりよいことは起こりません。ですから、それなりに戦略というものは必要になります。

戦略と言っても雑魚戦闘は非常に単純なルールですから、「〈気合い〉〈精神力〉のいずれかが高いキャラクターはなるべく戦闘に参加し、先手判定の代表者となる」「強いキャラクターは多くの雑魚を相手にする」「弱いキャラクターはそもそも戦闘に加わらない」といった基本的なことを守る、といったことが大切です。

親玉戦闘もそうなのですが、「秘伝の声」では各キャラクター (敵も含む) の位置関係について管理する明確なルールが存在しません。ですから、キャラクターが戦闘時に置かれている状況については必要に応じてゲームマスターと話し合い、たとえば戦力的に劣るキャラクターが気付いたら敵に囲まれている、といった状況がないように心がけましょう。

また、雑魚戦闘で格好良く立ち回れば座布団を稼げることもあります。親玉戦闘に備えてがんばってみるのもよいでしょう。

親玉戦闘

親玉戦闘は、(基本的には) 1対1の対決を再現したルールです。相手は自分と同じような能力を持ち、一瞬の油断が死を招きます。雑魚戦闘に比べてルールは大幅に精密化しているため、戦略性が求められることになります。各要素について順に見ていきましょう。

先手判定

これに勝てば確かに有利、といえます。なにしろ間合いを自分の思い通りにするのも、攻撃を当てるチャンスを生むのも、先手判定に勝利してこそ、だからです。
もちろん、先手を取られても「受け」「かわし」に成功すれば逆に有利になりますから、回避に絶対の自信があるなら悲観するまでもないかもしれません。

ただし、敵と武器の間合いが異なる場合は、先手を取ることが不可欠です。なぜなら先手を取らなければ、自分の間合いで攻撃を出すチャンスが与えられないからです。
これは戦闘の戦略ではなく個人設定・成長の戦略になってしまいますが、もしあなたのキャラクターが、剣術ではなく柔術や槍術が得意であるならば、先手判定に勝てるように〈気合い〉〈精神力〉を高めに設定し、後の成長でも優先して上げて行くのがよいでしょう。

先制時の行動選択

先手をとった場合は行動を自分から選ぶことができます。この場合もさまざまな戦略があるでしょう。ですが、直接攻撃武器を持っているのであれば、まずは間合いを合わせることを優先するのがセオリーです。特に離れている場合はそもそも攻撃が当たりません。なにがなんでも間合いを詰める必要があります。

攻撃が可能になった場合、可能ならば攻撃パターンに「突き」を選ぶというのは一つの考えでしょう。「突き」は相手に「受け」を選ばせないという意味で優れています。ですが、命中判定が多少不利になる場合もありますので、そこのところは兼ね合いでしょう。相手が「かわし」の方が得意な場合は効果が薄いですし。
それにしても、「悩んだら突き」は一つの拠り所といえるでしょう。

先手判定に用いる二つの経験能力値〈気合い〉〈精神力〉が十分に高ければ、「相手に間合いを錯覚させる」オプションを選択するのも面白い選択です。成功すれば非常に優位に立てますし、失敗してもリスクはほとんどありません。

防御パターンの選択

前述の通り、先手をとられたからといって負けとは限りません。自分の得意な防御パターンを選ぶことで逆転の可能性はあるわけです。

ここについては単純なので戦略性はないといってもよいでしょう。得意な防御パターンを単純に選ぶ、で良いと思います。相手と得意間合いが違っている場合は「受け」ておいて鍔迫り合いで間合いを合わせるという作戦がある、ということだけ付記しておきましょうか。


◆ルールブックを読んでみよう

たいていの RPG のルールブックにはいろいろな情報が詰まっています。「秘伝の声」もそれは例外ではありません。ですが、そのほとんどは「ざっと目を通しておく」程度でよいのです。きちんと読んで覚えるべき部分は極々わずかです。場合によっては読む必要がないところ、またプレイヤーは読んではならないところもあります。

極端な話、プレイヤーはルールブックを読む必要すらない、ともいえます。なぜなら、ゲームマスターが、プレイ中に分からないところはフォローしてくれるからです。そうしているうちに徐々に覚えていくものです。ですが、読んでおいたほうがより楽しいのは確かです。というか、ルールブックというものはそのように書かれているものなのです。

ということで、実際のプレイに入る前に、まずは「秘伝の声」のルールブックをざっと眺めてみましょう。

■はじめに (p.vii〜viii)

「秘伝の声」が目指している目標などについて語った一種の雑談です。読んでも読まなくても構いません。

■本書を読むにあたって (p.ix)

基本的な用語の解説です。一応目を通しておきましょう。また、ルールブックを読んで分からない言葉が出てきたら、まずはここを見なおしてください。それでも分からなければ公式BBSで私たちに質問してください

第一章 個人設定 (p.1〜12)

ざっと目を通しておいてください。特に「一ノ八 経歴」(5ページ)のあたりはちょっと複雑なので、「一ノ十三 個人設定例 --- 用心棒「勝新左衛門」のできるまで ---」(7ページ)と見比べながら一応の流れを理解してください。

第二章 職業〜第四章 技能と特技 (p.13〜46)

きちんと読む必要はありません。100〜108ページにあるリストを見て、よく分からないものだけ拾い読みするだけで結構です。読み物としては面白いと思うので後で時間があるときにでも読んでください。

第五章 行動判定 (p.47〜52)

一通り目を通しておきましょう。特に「五ノ一 行動判定の方法」はしっかり理解してください。「五ノ七 さまざまな判定」は時間が取れたら、でよいと思います。

第六章 戦闘ルール (p.53〜66)

ちょっと大変ですが、戦闘を行うようなキャラクターならば読んでおく必要があります。

「六ノ一 戦闘の基本」はきちんと読んでください。「六ノ二 雑魚戦闘」「六ノ三 親玉戦闘」はざっと目を通しておく必要があるでしょう。細かな判定方法より、どのような流れで進んでいくかを理解するようにしましょう。115ページ、116ページのフローチャートを参考にしてください。

あとの部分は読んでも読まなくても構いません。ただし戦闘キャラならば、「六ノ五 戦闘における特殊行動」を読んでおけば活躍の場が広がるかと。

第七章 キャラクターの成長 (p.67〜70)

読まなくても構いません。ゲームマスターに聞けば教えてくれるでしょう。ただ分量がそんなにあるわけではないので読んでおいてもよいかと。

第八章 江戸の生活 (p.71〜78)

読み物なので読まなくてもよいのですが、この手の知識というのはプレイの幅を生むものです。時間がとれたらなるべく読むことを推奨します。覚える必要はありませんし。

第九章 ゲームマスターガイド (p.79〜82)

プレイヤーには必要ないです。まったく役に立たないというわけでもないので暇があればどうぞ。

第十章 サンプルシナリオ「敵討ち」(p.83〜86)

プレイヤーは決して読んではいけません!!!

■デザイナー・ノート (p.87)

あとがきですから読まなくてもよいです。


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