博物館について書いてみる。


博物館巡りは私の趣味の一つでした。過去形なのは、最近忙しくてぜんぜん行ってないから (^^;)

ちょっとさみしいので気に入っている博物館について書いてみたりします。


国立歴史民俗博物館

千葉県佐倉市 京成成田線佐倉駅下車徒歩15分

略して歴博。私メの実家から電車で2駅 (京成佐倉駅) のところにある国立博物館です。地元だから身びいきかな、でも学習博物館としての出来はナカナカだと思います。少なくとも上野の国立博物館よりはいいんじゃないかしら。大好きな博物館で、もう1ダースは行ってます (^^;)

入館料は420円です。国立だから安いですね。でも中身はぎっしり詰まってます。きょうび、420円で一日遊べるところなんてめったにないですよ。

展示室は今は常設が五つ、企画が一つ、かな。第4展示室が民俗学 (民族、じゃないです)、あとは歴史ですね。すごくゆっくり見れば1日じゃ足りないですが、普通は午後いっぱいもあれば十分でしょう。

ここのイイところは、「模型や複製、音、映像を通して、とにかく歴史や民俗学を分からせる」ということに徹していることだと思います。まず興味を持たせることをねらっているのがよろしい。ビデオも全部見てたらそれこそ1日じゃ終わらないほどあるし、展示の一つ一つに対応した資料を集めれば立派なパンフレットになるし、スイッチを押すと動いたり光ったりする模型も楽しい。

だからここ、ホンモノの展示物はかなり少ないです。だからそういうのを期待していくとがっくりします。でも思うんですが、博物館はホンモノを見せるところだ、解説も分かる奴だけ分かればいい、という博物館もそりゃ大事ですけど、歴博がそうじゃないからといってバカにするのは、博物館というものを誤解してるんじゃないかなぁ。博物館は倉庫でも陳列棚でもなくて、教育施設なんですから。

あ、そうそう。ここのビデオコーナーと図書館、すごく面白いです。入館料払ってこの二個所だけに1日いてもいいぐらい。

つーことで強引にまとめますが、日本の歴史に興味はあるけどあんまり詳しくない、という御仁には特にオススメっす。


航空科学博物館

千葉県成田市 京成成田線成田空港駅下車バス10分

口を悪く言えば、成田空港の宣伝施設として作られたこの博物館。飛行機といえば昔も今も (だと思いますが) 科学少年の憧れでありまして、もと科学少年であった私もある程度は期待していったわけなんですが。

……いや、はっきりいって期待外れでした。もしかして期待過剰だったのかも。

まずいいところから行きましょう。ホンモノがとにかくたくさんあります。ゴロゴロしてます。無造作にあるといってもいいぐらい。大型の航空機じゃなくて、小型の航空機が好きな人なら、これは燃えるんじゃないかなぁ。なにせゴロンところがしてあるから、さわり放題なんだもん。実物のヘリコの操縦幹をさわって、プロペラ (む、正式名称がわからん) がぐりぐり動くのをみると、ちょいと感動します。

屋外の展示場には、もうちょっと大型の航空機が置いてあって、これにも中に乗り込んだりすることが出来ます。お子様の場合は、DC-10シミュレータに乗ったり、実際のコクピットの計器類をぱちぱちいじるのも楽しいかもしれません。私は年を考えて (^^;) 断念しましたが。

で、悪いと思うところなんですが、「無造作に転がしてある」だけってのが一番マズいと思うんですね。せっかくホンモノが手に触れるところにおいてあるのに、それが生かしきれてない。「……で、それが?」って感じにどうしてもなっちゃう。なんか、展示物が語り掛けてこないんです。

そりゃ、もとから航空機マニアの人には、ホンモノが触れるだけでも大満足なのかも知れません。でも、(私を含めて) そうでもない人にとっては、「だからどうなの?」ってことが大事だと思うんです。それを積極的に伝えようとするのが、博物館の正しいありかただと思うんですけどね。

これで交通の便がよければ、もうちょっと点数がヨイかも知れないんですが、なにしろ30分に1本あるかないかのバスに乗って、ですから、どうしても点が辛くなります。家族連れで、家がそれなりに近くて、車で出かけて、博物館を見て、ついでに展望台から成田空港の飛行機の離着陸を見て、という用途であれば、まぁまぁの点をあげられるかもしれません。でも同じ交通系の博物館だったら、秋葉原の交通博物館の方がずっとマシだと思います。

ところで、入り口にタイトーの「ミッドナイトランディング」があるのはまだしも、ナムコの「プロップサイクル」があったのは何かの冗談なのでしょうか (^^;)


世田谷文学館

東京都世田谷区 京王線蘆花公園駅下車徒歩5分

世田谷というところは、人口が多いせいかなんなのか知らないのですが、徳富蘆花を始めとして、昔も今も文学な人が結構いるところなんだそうです。で、そーいう縁なんでしょうか、作られた博物館です。

ここは私、「時代小説のヒーローたち」展という特別展がやっているとの情報を「時代小説SHOW」さんで知って、それで始めて見に行きました。この特別展に関しては前述のページで、私などが書くより数倍すばらしいレビューが書かれていますので、私は一博物館としてみたここの印象など。

はっきりいって非常に小さい博物館です。規模からいえば上記の「航空科学博物館」の半分もないかな。でも、非常に工夫が凝らされています。なんといってもビジョンが明確なんですね。

もともと「世田谷の文学」という非常にかぎられた領域の博物館ですし、しかも「文学」という無形物を扱っていますから、それをどう見せるかがポイントになるんですが、人、つまり世田谷の文士をメインに据えて展示を展開しています。まぁ、ありがちというか、それ以外にやりようがないとはいえるのですが、でもここの場合はかなり成功していますね。主要作品や自筆原稿をガラスケースに入れて事足れりとするのではなくて、解説パネルやビデオを駆使して人を強く印象づけようとしています。

しかしこの文学館の、展示以上に優れているのは、やはり文学というものを啓蒙しようとする姿勢でしょう。
常設展会場の入り口では「現在活躍している世田谷の文学者」という、世田谷区在住の作家とその主要作品の一覧が載ったパンフレットを配布しています。「ああ、この人って世田谷に住んでるんだ」「へぇ、この人も」っていう感じで、興味をそそられます。
今回、私が見に行ったような特別展示についても、講演も含めて特別な料金を取らないというのも非常にナイスです。
また、二ヶ月に一度、だったかな? オールカラーで、しかも読みでのある会報を発行し、それを無料で配布しています。

とにかく、がんばっているなぁという印象がある文学館です。これからも定期的にウォッチしていきたいですね。


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