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第四章 殺しの手口

仕掛けは「人を殺す」ことに他なりませんが、「他人に知られず、自分が犯人と悟 られず」に殺すとなると、ただの殺しの手段とは違った手段を用いることになりま す。

同様にとがり屋も、証拠を残したり、足がつかないようにするためには、刺しの方 法を十分に考慮しなくてはならないでしょう。

また、武士のみが刀を持てる江戸時代にあって、武士ではない暗殺者たちは、道具 や方法も工夫しなくてはならないはずです。

本章では、様々な殺しの手口について解説します。かっこよさだけではない、自分 のキャラクターに合った方法を考えてみましょう。

注意! 本章で述べることは、人の命をいかにして奪うかという、現実的に非常に危険な行 為についてです。江戸時代を背景にしたことではあるにしろ、現代でも道具がそろえ ば通用する方法です。

これはゲームの参考としてお伝えするものであって、それ以外の意図はありませ ん。ここに書かれていることは大変危険ですので、絶対に真似をしな いで下さい。

刀で斬る

刀を使って、相手を一刀のもとに斬り捨てる、あるいは突き殺します。真夜中や人 気のない暗闇で狙うのが効果的です。

利点

武士を表の職業にしている仕掛人ならば、もっとも一般的で確実な方法です。

とがり屋の多くはこの方法を使用します。とがり屋は仕掛人よりも迅速な殺しが要 求されるので、もっともやりやすく、確実な方法を選ぶからです。

日本刀は殺傷能力が高く、信頼できる武器です。たとえ不意打ちが失敗したとして も、暗殺者に戦闘するだけの技能があれば、状況によってはフォローがききます。

武士であれば、刀を持っていても不思議ではないので、死因から犯人として怪しま れることはないでしょう。

欠点

相手を斬ったときには、ほぼ必ず返り血を浴びます。肌に付いた血は、拭えばなん とかなりますが、衣服にかかった血は洗濯しても完全に落とすことは難しいでしょ う。返り血を浴びた姿で人前に出れば、確実に怪しまれます。返り血を浴びない方法 か、浴びても人の目に付かない方法や状況を考えなくてはなりません。

相手を殺したときに、大声を出されたり、大きな物音をたててしまうこともありえ ます。音が立ちようのない場所や方法。音を立てても他人に感づかれないような場所 などを考える必要があります。

刃こぼれや血曇りが刀にできます。そんな刀を手入れに出したりしたら、たちまち 足がついてしまうでしょう。

鋭利な刃物を使う

刀でなくても、殺傷能力を持つ刃物はあります。短刀や包丁、大工道具など手に入 りやすい刃物を使って、相手の急所を突いたり、掻き斬ったりして殺します。武士以 外の仕掛人やとがり屋の多くが使う手口です。

利点

刀よりもさらに怪しまれにくく、武士以外の身分でも持つことができます。入手も 容易です。また、携帯するのに便利で、隠し持つこともできます。

種類が多いので、自分の表の職業に合わせた物を選べば、さらに怪しまれにくくな ります。

欠点

刀と同様に、返り血を浴びることになります。

殺傷能力は刀よりも低いので、刀ほど確実な手口ではありません。相手の急所を的 確に狙ったり、相手の油断を誘ったりする工夫や技術が必要です。

相手を殺したときに、大声を出されたり、大きな物音をたててしまうこともありえ ます。音が立ちようのない場所や方法。音を立てても他人に感づかれないような場所 などを考える必要があります。

相手を殺し損ねた場合、武器として使うには頼りないものです。特に刀が相手で は、勝ち目はないでしょう。仕損じることは許されません。

先の鋭い物で突く

針や釘、\ruby{簪}{かんざし}など、鋭くとがったものの先で、盆の窪などの相手の急所を突いて絶命 させます。

警戒していない相手の背後から奇襲をかけたり、眠っている相手に仕掛けるのが一 般的です。

特に、相手が眠っているなら、水に濡らした半紙を眠っている相手の顔に張り付 け、その瞬間に急所を突けば、声も立てさせることなく命を奪うことができます。

仕掛人がよく使用する手口ですが、とがり屋はほとんど使いません。

利点

道具が入手しやすく、携帯性にも優れています。隠したり捨てたりするにも、便利 です。同じものが数多く出回っていますから、道具の出所からの捜査では、足がつき にくくなります。

死因となる傷跡が小さく、死因はわかりにくくなります。

欠点

殺傷能力が極端に低い道具を使うので、相手を確実に仕留められる状況が必要で す。相手を殺す状況は非常に限られます。相手が完全に油断していなければ難しいで しょう。また、相手の急所を一撃で突くだけの技術が要求されます。

もし仕留められず、通常の戦闘になったときには、絶望的な状況です。この道具は 戦闘に使用できません。逆に暗殺者の身が危うくなります。

首を絞める

紐や縄などで、相手の首を絞めて窒息させます。

利点

道具は簡単に手に入れることができ、携帯性にも優れています。また、殺した後 に、道具に跡が残りません。持っていても怪しまれることはないでしょう。

首を絞めるということは、同時に喉も絞めているので、相手に大声を出されること はありません。

死因は分かりやすいですが、犯人の特定は困難になります。また、うまく細工をす れば、自殺に見せかけることもできます。

欠点

首を絞めるには、ある程度の筋力が必要です。仕掛け戦闘では〈腕力〉を使って判 定します。〈腕力〉が弱いキャラクターや女性の暗殺者がこの方法を使うのには、あ まり良い方法ではありません。

相手が完全に油断していなければ、首に紐を巻き付けることなど不可能です。相手 の状態や、仕掛ける状況は相当に限定されます。

相手が死に至るまでに、比較的時間がかかります。一瞬にして殺すことはまず不可 能です。相手に逆襲の余地を与える危険性があります。

そこで、この方法の場合には、仕掛け戦闘で仕掛けに成功した後、もう一度暗殺者 と相手が対抗判定をしなくてはなりません。

判定方法は以下のようになります。

仕掛人 = 《暗殺技能》 + 〈腕力〉+ 2D
仕掛けられる側 = 〈腕力〉+ 2D

この時、仕掛けられる側は、特徴の《体格》の数値を判定値に加えることができま す。

仕掛人が判定に成功すれば、相手は死亡します。仕掛けられる側が成功した場合に は、仕掛人は振りほどかれ、相手と対峙することになります。

なお、この判定は1ラウンドの時間がかかります。

毒を盛る

致死量の毒を食事などに混入して、相手を死に至らしめる方法です。

利点

相手に気づかれにくく、成功すれば確実に絶命させることができます。

使用する毒物によっては、死因をわかりにくくすることもできます。

武器に毒を塗ることで、他の方法と併用して、確実性を上げることもできます。

欠点

毒物の入手はかなり困難です。生成した薬を、普通の人が手に入れるのはまず不可 能です。仮に購入できるとしても非常に高価なものです。コネでもなければ手に入ら ないと考えて下さい。表の職業が医者であれば、入手はそれなりに容易にはなりま す。とはいえ、毒物は高価な上に流通量が少ないので、入手方法から足が付きやすく なります。毒物を使って、真っ先に疑われるのは医者でしょう。

薬に関する専門的な知識が必要です。入手した毒物をすぐに使用すれば問題ありま せんが、自分で毒物を作ったり、毒物の正確な処方については、やはり知識が必要に なります。

どのようにして食べ物の中に毒物を混ぜるかも問題になります。また、混ぜたとし ても、相手に確実に食べさせる工夫が必要です。相手以外の人物が食べてしまって は、どうしようもありません。

特殊な武器を使う

吹き矢、含み針、手裏剣など、あまり一般的でない武器を使って仕掛ける方法で す。仕掛けの中でも珍しい部類のものです。とがり屋でも、状況によっては使うもの がいるかもしれません。

利点

武器自体が珍しいものなので、仕掛ける相手の意表を突くことができます。

技能も特別なものですが、修得さえしていれば職業や老若男女の差に左右されるこ となく、仕掛けを行うことができます。

欠点

殺傷能力が低いので、毒物を併用するなどして、確実性を高める工夫が必要です。 また、仕掛人にも相当な腕前が要求されます。

特殊な武器なので、現場に武器を残しておくと足がつきやすくなります。武器の発 注先などにも気を配らなくてはなりません。

珍しい武器だけに、持ち運びにも注意が必要です。なんらかのカモフラージュの方 法を考えなくてはなりません。

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