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はじめに


「時代劇最大の魅力は何か?」

そう聞かれてすぐに思いつくのは、やはり剣豪達の活躍でしょう。剣豪は時代劇で最もポピュラーな存在です。彼らが主人公の時代劇・時代小説は、それこそ数知れません。彼らのストイックな生き様、強さを求め試練に立ち向かう精神、真剣勝負の身を切るような緊張感、そして必殺の秘剣・奥義。剣豪は、男なら一度は憧れずにはいられない、時代劇のヒーローなのです。

この真剣勝負の世界を再現するためのサプリメントとして、「日本剣豪譚・演遊編」が発表されたのは一年半前のことです。火盗改メのプロダクツの特徴である「リサーチ主義」に基づく詳細な記述は、特別な専門書に当たらずとも充分な内容で、好評のうちに完売しました。

前回の夏コミで基本ルール「秘伝の声」の大幅改定にあたって、「日本剣豪譚」の追加戦闘ルールを正式ルールとして採用しました。そのため、今回の改訂は第三版対応のためのマイナーチェンジバージョンといなっています。

著者である小笠原君は、今回の改訂版を夏コミと冬コミの間の短い期間で完成させてくれました。「読者を待たせてはいけない」という彼の意気込みは、本書の中に息づいているはずです。本書の作成中にアメリカへの長期出張が決まり、ついには現地から原稿を送ってくることになってしまいました。しかし彼の努力のおかげで、前回の版から間をおかずに改訂版を出すことができました。

大きな改訂は行っておりませんが、リサーチ主義による詳細な解説は今回も健在です。ルール面では、前回は不完全版の掲載であった流派別オプションルールが、今回正式に採用となりました。各流派の特徴を「秘伝の声」システム上で再現するためのルールです。修行を積むことにより、キャラクター達が秘剣や奥義を使えるようになったのです。しかし、これは「修羅の道なり」のような派手な必殺技ではありません。長い修行の末に会得できる、まさにいぶし銀の魅力を持つ奥義なのです。

では、どの流派が最強なのでしょうか?

著者の小笠原徳彦君はいいます。

「極めればどの流派も最強である」

そう、その答えはこのサプリメントを使って、プレイヤーであるあなたが決めるのです!
火盗改メ(いちおう)代表
富田浩之


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