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あとがき


「秘伝の声」ファンのみなさん、お久しぶりです。 今回、基本ルールと御一緒にお買い上げになった方、始めまして。 剣豪サプリメント「日本剣豪譚(演遊編)」の新しい版をお届けします。

本書の旧版が世に出たのが1996年の夏。幸いなことに皆様の支持を得まして、 1年で完売。これを機に、'97年夏に発売となりました第3版へと対応させて 刷り直させていただきました。今後ともよろしくお願いいたします。


本書の旧版で導入された「間合い」ルールは、このたび、 第3版にオフィシャルなルールとして導入されました。 本書の「『秘伝の声』の戦闘によりフィジカルな駆け引きを」という アプローチがデザイナーにも認められたと、うれしく思っております。

今回はそれに変わる新機軸を……とも考えたのですが、 これ以上複雑化するのは「秘伝の声」の思想にそぐわないため、 新たなオプションルールの導入は見送りました。 しかし腹案はなくはないので、もっと非公式な形(たとえば瓦版や WWWページなど)でフォローすることもあるかもしれません。

その代わりといっては何ですが、「流派別オプションルール」を、 非公式な付録から公式なものへと昇格させました。自分で言うのも 何ですが、結構流派の特徴を捉えた、面白いものになっていると思います。 ぜひ採用してみてください。

それ以外にも、「秘伝の声」をよりリアルに、面白くするための ルールを追加してありますから、うまく取り入れてプレイを盛り上げていただきたいと 思います。


ところで、今回の改定作業では、ぜひ付属シナリオを収録したい、と思いまして執筆を 行っていたのですが、諸般の事情により作業が遅れに遅れ、とどめに私がアメリカ長期出張と なって資料が不足して、結局間に合わなくなってしまいました。ここにお詫びしたいと思います。 今回ボツりましたシナリオについては、WWWその他の手段でいつかお目にかけられればと 思います。

というわけでこの場を借りて、「剣豪小説っぽい状況」について、 簡単にフォローさせていただきます。

典型的な剣豪小説を目指すなら、戦国か幕末でしょう。

戦国なら、自ら編み出した流派の弘流を目指して諸国を行脚する剣客とその弟子たち、 というのでキャンペーンが張れそうですね。 自分たちの流派を貶めようとする一派を打ち破ったり、 逗留先で領主の庇護を得るための御前試合を行ったり、ネタはいくらでもありそうです。

幕末ならば、江戸の一道場を舞台とし、尊王攘夷などを絡めてやるとよいかもしれません。 坂本龍馬、近藤勇、千葉周作などの有名な人物をどんどん出すと、盛り上がって面白いプレイとなるでしょう。 明治まではみ出て、時代遅れとなった剣豪たちの悲哀をプレイするのも良いかもしれませんが、 これは別サプリメントにお任せします(意味ありげな笑い)。

江戸中期になると、剣豪らしいシナリオというのは難しく感じます。 やはり「剣客商売」のように、基本的には巻き込まれ型のショートシナリオ連発でプレイするのが 良いのではないでしょうか。


最後に、本サプリメントの執筆を支えてくれた、全ての人と物に感謝します。 といって、ほとんどは旧版と同じなのですが。

代表の富田君を筆頭に、我が「火盗改メ」の面々は、 さまざまな助言と精神的援助(なんじゃそりゃ)を与えてくれました。 なんといっても、富田君の偉大なる労作「秘伝の声」がなければ、 本書は存在できなかったのですから。 感謝にたえません。

筆者の大学時代の友人・三木君には、 本書に盛り込もうと思い付いたアイデアを片っ端から聞いてもらいました。 彼と交わした議論が、本書のバックグラウンドを流れているものとおもいます。 同じようにバックにあるのが、Internet RPG Mailing Listでしょう。 私がここから受けた影響は計り知れません。 迷惑かも知れませんが、感謝の意を述べておきます。

それから、異国の地での執筆作業を支えてくれた我が愛機・ SOTEC Winbook Trim、本書の複雑な組み版を可能にしてくれた ASCII pTeX & DVIOUT for Windows、 忙しいさなかの原稿書きに理解を示してくれた会社の先輩方、 そしてなにより、著書の名前を勝手に拝借した戸部新十郎先生に 深く感謝いたします。


それでは、またの機会にお会いしましょう。
小笠原徳彦
アメリカ・サンノゼにて

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