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第六章 戦闘ルール

君子は戦わざることあり、戦えば必ず勝つ
--- 孟子‐公孫丑・下


迫力ある殺陣(たて)のシーンは時代劇の華です。 たった一人で多くの敵をバッタバッタと斬り倒す、 あるいは、強者の剣術使いと立ち合い、 長い間にらみ合ったかと思うと、一瞬斬り結んで勝負を決する。 この「秘伝の声」ではそうした時代劇の戦闘の特徴を再現するために、 他のRPGとは違う特殊なシステムを持っています。

最大の特徴は、「雑魚戦闘」と「親玉戦闘」の二つの戦闘の分離です。 これにより、時代劇を象徴するシーンである、派手な立ち回りと息を飲む決闘の 両方が自然に再現されるのです。

六ノ一 戦闘の基本

ここでは、「秘伝の声」の戦闘の基礎となることについて述べます。


六ノ一ノ一 「雑魚戦闘」と「親玉戦闘」

先に述べたとおり、「秘伝の声」の戦闘には、「雑魚戦闘」と 「親玉戦闘」の2種類があります。

雑魚戦闘  PCの雑魚を相手にした派手な立ち回りを スピーディに再現するためのものです。 雑魚戦闘ではPCたちが死ぬことは絶対にありません。 一方、けちらした雑魚どもを活かすも殺すもPCしだいです。 派手な戦闘を気持ちよく楽しんで下さい。

親玉戦闘  強敵を相手にしてじっとただにらみ合い、牽制しあい、 一瞬の虚を突いて相手を倒す、という死闘を再現しています。 命を懸けた戦闘にみなぎる緊張感を堪能しましょう。


六ノ一ノ二 戦闘ターンと行動

戦闘中の時間は「戦闘ターン」という単位で区切られます。 1戦闘ターンは5秒です。 本章では、特に断らない限り、単に「ターン」といえば戦闘ターンを示します。

1ターン中の戦闘行為の処理は、「雑魚戦闘」と「親玉戦闘」では異なります。 詳しくは後述します。 またキャラクターは1ターン中に、 常識で考えて5秒間でできると思われる行動をすることができます。 詳しい内容はGMと随時相談して下さい。


六ノ一ノ三 攻撃パターン

相手に対して、どのような方法で攻撃を繰り出すかを示すものです。 攻撃パターンには「斬り」と「突き」の2種類があります。

以後、特に説明のない場合、「攻撃する」と表記されたときは、 「攻撃パターンのうちから一つを選んで攻撃する」という意味だと思ってください。

各武器についてそれぞれ「斬り」と「突き」の命中ダイス、 つまり命中判定に用いるダイスが決められています。 武器の種類によって、2種類の攻撃パターンに有利不利が出てきますので、 うまく使い分けてください。 なお武器によっては「斬り」または「突き」のいずれか一方かしかないものもあります。


六ノ一ノ四 防御パターン

相手からの攻撃に対して、どのような方法で防御を行うかを示すものです。 防御パターンには、「かわし」「受け」「流し」の3種類があります。

以後「防御する」と表記があれば、「防御パターンの中から一つ選んで防御する」という意味になります。

すべての武器には各防御パターンに対してそれぞれ回避判定ダイス、 つまり命中判定の対抗に用いるダイスが決められています。 また、防御パターンにはそれぞれ対応する能力値があります。

回避判定ダイスと対応する能力値を加えることにより、 防御の判定を行うわけですから、武器の特性と自分の能力を考えて防御パターンを選ぶことが重要です。

なお、六ノ六「武器について」において解説している武器には、防御パターンが ''---'' となっているものがありますが、これらは:

ということを意味します。

では、防御パターンについて解説しましょう。

かわし  素早く身を翻し攻撃を避けることです。 「かわし」に関する能力値は敏捷です。 敵の攻撃を「かわし」で防げば、相手はバランスを崩すので、 次のターンの命中判定値に+3の修正がつきます。

受け  「斬り」の攻撃を武器で受け止めることです。 「受け」に関する能力値は腕力です。 もし、「受け」が成功すれば、つばぜりあいとなります。 突き放すときには腕力による対抗判定をします。 それに勝てば、相手を突き放して、次のターンは無条件で先手が取れます。 望むなら、「対峙」の状態をとることもできます。 ただし、「突き」を「受け」ることはできません。

流し  敵の攻撃を完全に受け流すことです。 「流し」に関係する能力値は器用です。 「流し」で相手の攻撃を回避すれば相手は1ターンの間、 自分に対して攻撃できなくなります。 ただし、自分もその相手に攻撃できません。 親玉戦闘であれば、次のターンは「対峙」することができます。 雑魚戦闘で、たくさんの敵が出てきたときや、 傷つけたくない相手と戦うときに有効です。


六ノ一ノ五 命中判定

命中判定は攻撃が命中したか、あるいは、回避したかを判定するものです。 「秘伝の声」には2種類の戦闘がありますが、 命中判定の方法は基本的には同じなので、ここで説明しておきます。 後で「命中判定をする」と出てきたら、 すべてこの方法で行うものと覚えておいてください。

まず、攻撃側は攻撃パターンを宣言します。 「斬り」または「突き」のどちらかを選びます。

その後、防御側は防御パターンを宣言します。 「かわし」「受け」「流し」の三つから選びます。

次に攻撃側は命中判定値を、防御側は回避判定値を それぞれ選択したパターンに沿って次の式により算出します。

命中判定値 = 武器の命中ダイス(斬り/突き) + 武術系レベル

回避判定値 = 武器の回避ダイス + 武術系レベル + 防御に関係する能力値

このとき、自分の武術系技能に関係しない武器を使う場合(例えば、剣術技能で弓を使うなど)は、加える武術系技能を半分(端数は切捨て)にします。 こうして出した値を比較します。

命中判定値が回避判定値より大きかったときは攻撃は命中したことに、 命中判定値が回避判定値以下だった場合は攻撃は回避されたことになります。

六ノ二 雑魚戦闘

「曲者じゃ、出会え、出会え!」「斬れ、斬り捨てい!」

事件の黒幕が最後の見せ場に叫ぶおなじみの台詞(セリフ)です。 このセリフとともにわらわらと出てくる侍達。 彼らを相手に主人公は豪快な殺陣を演じます。

一人で何人もの敵を次々に斬り伏せていく立ち回りは、 時代劇の定番とも言えるものです。 こうした多人数を敵にまわした戦闘を再現するのが雑魚戦闘です。


六ノ二ノ一 雑魚データ

雑魚とは、「雑魚戦闘」のときにPCたちの敵となる大人数のNPCのことです。 雑魚にはPCのように細かい個人設定はありません。 雑魚は、次のパラメータで表されています。

先手判定値
先手判定に用いる。あるいは、気合い・精神力の代りに用いる。
命中判定ダイス
命中判定の際に振るダイス。 どのパターンでも一律この値である。
回避判定ダイス
回避の際に振るダイス。 どのパターンでも一律この値である。
勘働き判定値
勘働き判定が必要な時の値である。
腕力判定値
防御パターン「受け」のときの腕力判定などに使用する。
所持武器
その雑魚の持っている武器。 (武器固有のパラメータは無視します)

もし、雑魚に他のパラメータが必要になった場合には、GMが自由に設定してください。 その場合、PCよりもだいぶ弱めに設定するのがよいでしょう。 雑魚データは雑魚のデータ例です。

雑魚データ
 先手判定値命中判定値回避判定値勘働き判定値腕力判定値所持武器
浪人23D3D21大刀
家人(1)12D2D11大刀
家人(2)14D1D11
町の破落戸01D1D02匕首
盗賊22D2D31匕首
捕方21D4D21十手
渡り仲間12D4D22脇差
武家奉公人12D3D10脇差
剣客33D3D41大刀
用心棒43D3D32各種武器

各雑魚キャラの設定は次の通りです。

浪人
商人などに雇われて敵となる場合が多い。
家人(けにん)
主人に「曲者じゃ、出会え、出会え!」と言われて出てくるのがこの雑魚。 武器の違いで2種類いる。
町の破落戸(ごろつき)
町で遊びほうけている若者など。 喧嘩っ早い上にいつも徒党を組んでいる。
盗賊
商家を襲う盗賊たちは戦うことを考えているわけではないので、 一概に攻撃力は低い。
捕方(とりかた)
奉行所や火盗改メなど、市中警備の任を持つ役所が抱えている雑魚。
渡り中間
武士の破落戸。賭博場で喧嘩になったときの相手は彼らである。
武家奉公人
家人と同じ状況で現れる。
剣客
道場破りをしたときなどに全員で襲いかかって来たりするのはこの雑魚。 人に雇われている場合もある。
用心棒
武士(浪人)の中でも強いものを雇った場合の雑魚。

なお、第二章「職業」も参考になるでしょう。


六ノ二ノ二 戦闘の手順

雑魚戦闘は基本的に1戦闘ターンごとに戦闘を解決していきます。

  1. PCが「手加減」を行うのであれば、ターンの開始時に宣言します。 「このターン以降ずっと『手加減』します」という宣言でもかまいません。

  2. 「先手判定」を行います。 PC側は任意の代表者の〈気合い〉または〈精神力〉に2Dを加えます。 雑魚側は、雑魚の中で最も高いものの先手判定値に2Dを加えます。 そして、その両方を比べ、相手を上回った方が先に攻撃をすることになります。 この判定に効果的行動はありません。

  3. 次に先手判定に勝った方が攻撃します。

    1. PC側が勝った場合
      PCは、1人につき雑魚3人までを選び、攻撃します。 戦闘に参加するPCすべてが選びます。もちろん、全員が参加する必要はありません。 複数のPCが同一ターンに同じ雑魚に対して攻撃することはできません。

    2. 雑魚側が勝った場合
      雑魚は、1人のPCに対して3人までかかっていくことができます。
      ここで、PCは彼らのすべての攻撃に対して ペナルティなく回避判定することができることに注意して下さい。

  4. 攻撃の相手が決まったら、命中判定を行います。 雑魚には命中判定ダイスと回避判定ダイスが与えられています。 GMは命中判定の際に、その与えられたダイスを振ることになります。 雑魚の技能値は各判定ダイスの中に含まれているものと考えてください。
    雑魚戦闘では、命中判定には移動による修正もつきません。 ただし、移動できるのは、5秒間で動ける範囲に限られます。

  5. PCの攻撃が雑魚に命中したら、雑魚は即死です。 ただし、PCが事前に「手加減をする」旨を宣言していたならば、 雑魚は死なず、単に戦闘不能になります (きっと峰打ちであばらでも折られたのでしょう)。
    逆に雑魚の攻撃がPCに命中しても、PCは死亡せず、単に戦闘不能になります。
    いずれにしても、親玉戦闘のような致死判定は不要です。

  6. 先手の攻撃が終了したら、先手と後手を入れ替え、 3. から繰り返します。

  7. この手順が終了した時点で1ターン終了となります。 戦闘が続くなら、再び 1. から行ってください。

六ノ三 親玉戦闘

親玉戦闘とは、言い替えれば、一対一の立ち合いです。 雑魚戦闘のように、バッタバッタと敵を斬り伏せていくのではなく、 相方向い合って睨み合い、そして、一瞬のすれちがい様に斬り倒す。 こうした一対一の真剣勝負を再現するのが親玉戦闘です。

親玉戦闘は、基本的には必ず一対一で解決されます。


六ノ三ノ一 間合い

素手戦闘、斬り合い、そして飛び道具を用いた戦闘。 そのいずれにおいても、間合いは重要な意味を持ちます。 相手と心理戦を繰りかえしながら、いつ、どのタイミングで自らの優位な間合いに持ちこみ、攻撃を繰り出すか。

「秘伝の声」の親玉戦闘では、間合いのパラメータを導入することで、 このような息詰まる間合いの攻防を再現しています。

「秘伝の声」で扱う「間合い」は、 「四半間(しはんけん)」単位で表現されます。

大体、日本刀の間合いが3、脇差(小太刀)ならもう少し狭くて2、普通の槍は6程度です。 六ノ六「武器について」および「武器リスト」で、個々の武器の間合いを挙げています。

なお、間合いはかならず1以上です。

ちなみに、1ターン(5秒)で歩いて移動できる間合いは10、 武器を持った全力疾走ならば80です。


六ノ三ノ二 戦闘の手順

ここでは基本的な親玉戦闘の手順を説明します。

親玉戦闘ではいろいろな行動を付け加えることができますが、 それは後で詳しく説明します。

ここで、親玉戦闘に参加するそれぞれの キャラクターを甲・乙とします。

  1. 最初は、相方ともに向い合って、ある程度の間合いをとっています。 この状況を「対峙」と言います。
    戦闘開始時の間合いは状況によりますが、普通の近接戦闘発生時には、 大体「長いほうの武器の間合い + 2」程度が適当でしょう。

  2. 対峙の状態で、キャラクター同士、「先手判定」を行います。 先手判定は経験能力値の〈気合い〉と〈精神力〉を用います。
    まず、甲が〈気合い〉+ 2D、 乙が〈精神力〉+ 2D をもとめ、その値を比べます。 この判定は、雑魚戦闘とは異なり、効果的行動のルールが適用されます。
    つぎに、甲乙入れかえて同様の判定を行います。
    この二つの判定で、両方とも相手に勝ったキャラクターが 先手を取ったことになります。3. に進んでください。
    もし、片方づつしか勝てなかった場合は、 ここで1ターン終了です。1. に戻ります。

  3. 先手を取った方のキャラクター(以下「攻め手」)は、 次の選択肢の中から一つを選ぶことができます。

    攻め手が攻撃  攻め手は、「斬り」「突き」のいずれかの攻撃パターンを選んで 命中判定値を求め、さらにその値に +2 の修正が加えられます。
    間合いを1だけ調整、すなわち詰めるか広げるかしながら 攻撃することもできます。この場合は、 命中判定値の修正が +1 になります。また、 命中判定の時点で、間合いの調整が完了したことになります。

    間合いを調整  間合いを2だけ詰めるか広げるかできます。

    防御する(後の先をとる)  先手判定に負けた側 (受け手) に誘いをかけ、 攻撃させることができます。 このとき、攻め手の回避判定値に +2 の修正が加えられます。
    受け手のほうは、間合いを変えないで攻撃する場合には命中判定値に 修正なし、間合いを詰めつつ攻撃する際には -1 の修正が加わります。
    このオプションは、相手の武器の間合いと現在の間合いが一致しているか、 1の移動で調整可能でなければ選ぶことができません。 間合いがずれている場合は、オプションルールの「相手に間合いを錯覚させる」を選んでください。

  4. 攻撃の回避に成功した場合は、防御パターンによって結果が異なります。

    1. 先手でも後手でも「かわし」が成功した場合、 次のターンで自動的に相手を攻撃することができます。 このとき、攻撃側の命中判定値は +3 の (間合いを調整しながらならば +2 の)修正がつきます。 かわされたキャラクターは、これに対して回避行動を取ることしかできません。
      また、攻撃する代わりに、プラスマイナス 3 の範囲で間合いを調整することも可能です。

    2. 受け手が攻撃を「流し」たならば、 二人の位置を入れ替えることができます。 壁に追いつめられたときなどに有効です。

    3. 防御パターンが「受け」の場合、成功したならばつばぜり合いになります。
      つばぜり合いは、両者の〈腕力〉による対抗判定によって判定します。 腕力判定の勝者は、相手を突き飛ばし、次のターンで先手を取ることができます。 3. に戻ってください。
      または、相手を弾き飛ばし、 あるいは引き寄せ、プラスマイナス 3 の範囲で間合いを調整することができます。 ただし、先手を得る権利は放棄することになります。 1. に戻ってください。

    例 --- 「受け」の成功 ---

    脇差(間合い:2)を持ったキャラクター甲と、刀(間合い:3)を持ったキャラクター乙が、 間合い4で対峙しています。 乙は先手判定に成功し、間合いを1だけ縮めつつ攻撃します。甲は「受け」を選びました。 この時点での間合いは3 (= 4 - 1) です。

    「受け」は成功して、腕力判定でも「甲」が成功しました。 甲はもう一歩間合いを狭め、間合いは3から2になります。

  5. 攻撃が命中した場合、致死判定をします。 攻め手は、致死値を難易度として、攻撃に用いた技能で行動判定を行います。
    成功したら、攻撃を受けたキャラクターは死亡します。
    失敗した場合には、 負傷したことになり、 戦闘不能になります。

六ノ四 負傷

雑魚戦闘で相手の攻撃が命中したり、 親玉戦闘で相手の攻撃が命中したけれども、攻撃側が致死判定に失敗した場合は、 そのキャラクターは戦闘不能となり、傷を負ったことになります。

傷の度合や負傷箇所などはGMがその場で決めてください。 PCの負傷に関しても同様です。 GMは負傷したNPCを逃すことはできますが、 再度戦闘に参加させることはできません。 その時、NPCは「逃げることは出来るが戦闘できないほどの重傷」 を負っていると考えてください。 もちろん、「逃げられないほどの重傷」にしてもかまいません。 それはGMの自由です。

負傷の回復はきちんとした手当てをしなければなりません。 特に重傷である場合は、医者に見てもらわなければなりません。 しかし、それでも助からないときもあります。 現代のように医学が進んでいるわけではありませんから、 戦闘で負った傷は治りにくいと考えてください。

六ノ五 戦闘における特殊行動

ここでは、キャラクターが戦闘のためのオプション行動を ルール化したものを説明します。 プレイヤーはルールをうまく使いこなしてゲームを演出し、 プレイを盛り上げてください。 GMはこのルールを使用しなくてもかまいません。


六ノ五ノ一 負傷の軽減

戦闘の結果、「戦闘不能」あるいは「死亡」状態になった場合、 座布団を1枚消費することで、「戦闘不能」を「無傷」に、 「死亡」を「戦闘不能」にすることができます。座布団を2枚消費して、「死亡」を 「無傷」にすることも可能です。

このルールは、PC、NPC (親玉) 共に適用されます。雑魚は座布団を持たないので適用されません。

負傷を軽減した結果「無傷」になったならば、戦闘は続行され、 「対峙」の状態になります。親玉戦闘なら状況に応じた適当な間合いになります。

なお、消費した座布団は永久に失われます。


六ノ五ノ二 親玉戦闘のオプション行動

親玉戦闘で先手を取ったとき、次のような行動をとることもできます。

相手に間合いを錯覚させる  相手の武器(攻撃法)の間合い プラスマイナス 1 のずれを錯覚させ、 斬りつけさせることができます。

このオプションを選択した場合、 先手判定とは別に、 攻め手の《殺気放射》と受け手の〈精神力〉とで対抗判定を行います。 もちろん、《殺気放射》がなければ代わりに〈気合い〉を用いてください。 攻め手が勝利すれば、受け手は自動的にその間合いで攻撃することになります。 命中判定値、回避判定値の修正は「防御する(後の先をとる)」と同じです。

逆に受け手が勝利した場合はペナルティはありません。

間合いが広すぎるときに、相手に攻撃を空振りさせることで、 自分が優位に立つことができます。 六ノ五ノ三「ふさわしくない間合いの攻撃」を参照してください。

例 --- 間合いの錯覚 ---

短槍(間合い:6)を持つ甲と、打刀(間合い:3)を持つ乙が、間合い7で対峙しています。 先手を取ったのは乙、彼は「相手に間合いを錯覚させる」を選びました。

乙は〈気合い〉対〈精神力〉の対抗判定にも勝利。 甲は間合い7を、自分のふさわしい間合い6であると錯覚し、攻撃することになります。 当然、攻撃は空振りし、乙が「かわし」に自動的に成功したことになります。 乙はこれを機に、一気に間合いを狭めてきます。

相手を退かせる  相手を威圧して、後ろに1だけ下がらせることができます。

このオプションでも、「相手に間合いを錯覚させる」と同様に、 攻め手の《殺気放射》と受け手の〈精神力〉とで対抗判定を行います。 攻め手が勝利すれば、受け手は1後ろにさがります。 もし、下がる場所がもはやなければ、 受け手は次のターンは何もできなくなります。

逆に受け手が勝利した場合はペナルティはありません。

受け手が攻撃を「受け」たならば、一旦は間合いを攻撃側の思い通りとした後、 基本ルールの通りに腕力判定を行います。 結果は「普通に攻撃」のときと同様です。


六ノ五ノ三 ふさわしくない間合いの攻撃

このルールは、発射武器・投射武器による攻撃には適用しません。

間合いが遠すぎる攻撃は、相手にまったく当たりません。 相手は、自動的に「かわし」に成功したものと判定されます。

逆に間合いが近すぎる場合は、 間合いの差1ごとに、命中判定、致死判定の難易度に +1 されます。 近すぎる間合いの攻撃は当たりにくく、 当たったとしても威力は弱まっているのです。

例えば短槍(間合い:6)で、間合い3のところにいる敵を攻撃する場合、 命中判定、致死判定それぞれの難易度は +3 されます。


六ノ五ノ四 発射武器・投射武器の命中判定

発射武器・投射武器に関しては、「間合い」を外れたら命中しない、というわけではなく、 距離によって命中のしやすさが緩やかに変化します。 ここでは、距離の概念を新たに取り入れた命中判定のルールを加えます。

まず、発射武器・投射武器の「間合い」は「有効射程」を表します。 つまり、命中率がまずまずで、威力も十分に得られる最大の距離です。

「有効射程」の半分の距離を「必要距離」とします。 必要射程とは、武器の威力が発揮される最低限の距離です。 発射武器や投射武器は、ある程度以上離れていないと加速度がつかないので威力を発揮しないのです。

「有効射程」の2倍が「最大射程」です。 最大射程とは、その武器が届く最大の距離です。

距離によって、命中判定および致死判定に、距離による命中判定・致死判定修正表で示されるような修正を加えてください。

距離による命中判定・致死判定修正表

距離による命中判定・致死判定修正表

範囲は「…以上、…未満」で見ます。 例えば、長弓の有効射程は480(120間)ですが、 修正0の範囲は240以上480未満です。

最大距離より遠い場合の修正は、有効射程の半分ごとに 2 づつ増していきます。 例えば長弓の場合、最大射程960(240間)よりさらに遠い1000ならば、 修正値は共に +5 になります。

ただし、「火縄銃」「短筒」の二つは、 間合いが必要距離以下でも、致死判定に修正はつきません。 銃はその原理上、銃口から弾丸が出た瞬間から十分な威力を持つのです。


六ノ五ノ五 見栄を切る

時代劇のヒーロー達の多くは戦いの前に見栄を切って、 決めゼリフを吐きます。

「金さんの桜吹雪、散らせるものなら散らせてみやがれ!」とか 「この桃太郎、天に代って鬼退治いたす!」などと言うのはその代表例です。

プレイヤーは戦闘の前にこうした決めゼリフで見栄を切って、 GM (または他のプレイヤー)がすばらしいと判断した場合は、 先手判定の気合い、および精神力に+1の修正をつけることができます。 この修正は、1戦闘中持続します。

ただし、「じゃあ、見栄を切る。」では駄目です。 思いきり格好つけて、自分で考えた決めゼリフを言わなくてはなりません。


六ノ五ノ六 雑魚戦闘後の親玉戦闘

悪の親玉というのは、まず、自分の手下を大勢けしかけ、 それを返り打ちにあわされるとあわてふためくことがままあります。 もし、PCが雑魚戦闘で雑魚敵を全て倒したら、 その直後の親玉戦闘の先手判定の気合いの値に+2の修正がつきます。 しかし、腕の立つ敵であれば、強敵に出会ったことを喜ぶかもしれません。 そういうときは、GMが プレイヤーに修正を加えないように指示してください。


六ノ五ノ七 狙い斬りと狙い撃ち

武術系技能のレベルが5以上のキャラクターが、 親玉戦闘の際、攻撃パターンの「斬り」を選択したときに限り、 相手の一部を狙って攻撃することができます。 プレイヤーは、相手の体のどこを狙って斬るか宣言し、 命中判定を行います。 そして、命中し致死判定で致死となった場合、 相手の体の一部は切り落とされたことになります。 それによって相手は負傷扱いとなります。 打撃武器で狙い斬りをしても、斬り落とすことはできませんが、 その部分を骨折させて使い物にならないようにすることができます。

狙い撃ちは飛び道具を扱う武術系技能が5レベル以上のキャラクターが その専門の武器を持ちいるときに限り有効です。 判定方法は狙い斬りと同じです。 ただし、致死判定に成功していても、 その部位が切り落とされることは、もちろんありません。


六ノ五ノ八 矢を斬り払う

飛来する矢や手裏剣を、剣術、槍術を用いて叩き落とすことができます。 それには相手が自分に飛び道具を使う様子が見えているか、 もしくは勘働き判定に成功していなければなりません。 叩き落とすためには防御の「流し」に成功することが必要です。 成功すれば、飛んできた武器は叩き落とされます。

また単にかわすときには「かわし」を用います。 成功すれば、矢は、そのまま後ろへ飛んでいきます。


六ノ五ノ九 死際の行動

PCが敵の攻撃を受けて、致死となっても、 その後、1ターンの間は自由に行動することができます。 1ターンの行動が終った後、PCは息をひきとることになります。


六ノ五ノ十 不意打ち

相手が自分に気付いていない状況で戦闘をしかける場合、対峙の状態をとれません。 これが「不意打ち」の状態です。 不意打ちは攻撃をしかける側が圧倒的に有利になります。

不意打ちでは、攻撃をしかける側が無条件で先手をとれます。

まず、攻撃側の《気配消し》、《姿隠し》、《忍び歩き》の状況に応じたふさわしい技能と、防御側の《殺気感知》で対抗判定をします。 防御側が対抗判定に負けた場合、攻撃側の不意打ちに気付かず、 いかなる防御もとれません。

もし、防御側が対抗判定に勝てば、 「かわし」の防御パターンだけを行うことができます。 「かわし」に成功すれば、次のターンから対峙することができます。

雑魚キャラがPCに不意打ちする場合は、 〈気合い〉のかわりに先手判定値を用いて対抗判定します。

雑魚戦闘でも親玉戦闘でも、 不意打ちを仕掛けられた方が武器を手にすることができるのは、 不意打ちを「かわし」た後、対峙したときになります。


六ノ五ノ十一 手加減

武術系技能を持つすべてのキャラクターは戦闘において 「手加減」をすることができます。

手加減をする場合、 戦闘の前にあらかじめ手加減することを宣言しておかなくてはなりません。

雑魚戦闘では、宣言するだけで終わりです。 手加減は必ず成功します。

親玉戦闘では、攻撃が成功した場合、 致死判定に用いる技能値を「加える」のではなく「引く」ことができます。 つまり《剣術》レベル10のキャラクターならば、 2D - 10 を致死値と比べ、致死判定を行うことになります。

ただし、手加減するときには、雑魚・親玉ともに、 戦闘の際の先手判定の〈気合い〉(雑魚戦闘の場合は〈精神力〉の いずれか使う方)に-2 の修正をつけなくてはなりません。

六ノ六 武器について

天下太平の江戸にあっても、数多くの武器が生産されています。 しかも江戸時代の武器は、戦国時代を潜りぬけて獲得した実用性の上に、 太平の世がもたらした芸術性を加味し、独自の発展を遂げています。

しかし、公的に武器を所持できるのは武士だけに限られています。 しかも、打刀と脇差以外の武器を持ち歩くことはほとんどありません。 他に一般の目に触れるとすれば十手ぐらいのものでしょう。

槍などをもって町中を歩く姿は、非常に考えにくいといえます。

武器の価格はその質やこしらえなどによって、 それこそピンからキリまであります。 ですが、一般的に見ても高価なものです。 少なくとも2両以上、高級品であればいくらの値がつくか分かりません。 ですから、 代々伝わったり、 師匠から受け継がれたりしたものを大切に使っているのはごく普通のことです。 また、個人所有物でない武器も多くあります。

以下は武器の解説です。 価格は一応の目安であり、 この値段で買えるのはごく普通の質の武器だと考えてください。

本書で取り上げた武器の一覧表は「武器リスト」としてあげてありますのでご利用ください。

■武器名
金額/間合い/命中判定ダイス(斬り)/〃(突き)/回避判定ダイス/致死値/対応技能

武器名  武器の名前です。

金額  購入するための代金。その武器の中で平均的な値段をあらわします。

間合い  その武器が最も有効に働く間合いを示します。 単位は 1 = 四半間(約0.45m) です。

命中判定ダイス(斬り)/(突き)  武器の命中判定(と致死判定)を行うダイスの数を表します。 物によっては特別に +、- の修正値がついているものもあります。

回避判定ダイス  命中判定の対抗に用いる、かわし・流し・受けのしやすさを表すダイスの数を示します。

致死値  致死判定のときに用いる値です。 基本的には、致死値が大きい方が死ににくくなります。

対応技能  その武器を扱うのにふさわしい技能です。


六ノ六ノ一 刀剣

刃がある近接戦用武器です。

■太刀/野太刀

20両/4/3D-1/2D-2/3D/5/剣術

太刀は、刃渡りが大体3尺(約90cm)以上の長い刀であり、 腰に佩く(はく)、つまり刃を下にして紐でつるすものです。

太刀の拵え(こしらえ)が荒っぽくなり、 より実践的になったのが野太刀です。

■打刀

15両/3/3D/2D/3D/6/剣術

打刀は、狭い意味での「刀」で、 江戸時代で最も一般的な武器です。

腰に差す、つまり刃を上にして帯に差す刀の中で、 定寸で刃渡りが2尺3寸(約66cm)程度のものを指します。

■脇差

10両/2/2D/2D/4D/7/剣術

小太刀ともいいます。打刀がそのまま、長さが短くなったような刀です。 大体2尺そこそこ(約60cm)までの物をいうことが多いです。

■匕首

2両/1/1D/2D/1D/9/剣術

「あいくち」と読み、「合口」とも書きます。 刃渡りがせいぜい7〜8寸(20〜24cm)の一種の短刀で、 ほとんど反りがないのが普通です。 鍔はありません。 つまりはドスで、今も昔も破落戸(ごろつき)の主武器です。

■懐剣

5両/1/1D/2D/1D/8/剣術

武家の女性などが護身用に持つ短刀です。

■忍者刀

---/2/2D/2D/3D/8/剣術

その名の通り、忍者が使う刀です。 「忍び刀」とも言います。 刃渡りは1尺6寸(約50cm)と短く、ほとんど反りはありません。

■唐剣

20両/3/2D/3D/2D/7/唐剣術

読んで字の如し、中国系の剣です。 長さは打刀程度、直刀・両刃で、さらに軽くてよくしなります。

■仕込杖

20両/2/2D/2D/3D/2/8/剣術

見た目はただの杖ですが、実は中に細身の刀を隠してあるものです。


六ノ六ノ二 木刀・棒など

練習・制圧に用いる、木製の武器を紹介します。

■木刀

1分/3/3D/2D/3D/11/剣術

木刀は、打刀の代わりに剣術の稽古に使うものであり、 その形状、特に長さは、ほぼ打刀と同じです。

■竹刀

2朱/4/3D/2D/3D/13/剣術

剣道でお馴染みの竹刀です。長さは打刀より長いのが普通です。

■棒

1分/4/3D/2D/3D/11/棒術

そのまま、木製の棒です。 棒術で用いる棒は大体長さ6尺(約1.8m)ほどの丸棒です。

■杖

1分/3/2D/2D/3D/13/棒術

杖は「じょう」と読み、長さが4尺(約1.2m)から5尺(約1.5m)の丸い棒で、 太さは大体8分(約2.4cm)程度のものです。 ちょうど、両腕を広げて両端を持つことができる長さです。 その扱いやすい長さを生かし、 変幻自在な動きが可能です。

■六角棒

2分/4/3D/2D/3D/10/棒術

断面が六角形になるように削った棒であり、 樫の木などの堅い木で作るのが普通です。 鉄の¥ruby{鋲}{びょう}を打って殺傷能力を高めることもあります。 長さは「棒」と同じぐらい、重さはいろいろありますが、 武器として用いるものは木刀より少し重い程度と考えてよいでしょう。


六ノ六ノ三 長柄の武器

木などでできた長い棒の先に、何らかの刃物などを付けたものをいいます。

■長槍

15両/10/2D/2/4D/1D/4/槍術

柄の長さが2間半(約4.5m)から3間半(約6.3m)と、 非常に長い槍のことです。戦国時代、足軽の主武器として用いられました。

■短槍

8両/6/1D/3D/2D/5/槍術

長槍よりもっと短い槍です。長さ10尺(約3m)程度の柄に、 1尺(30cm)から2尺(60cm)程度の 穂(刃の金属部分)を付けたもので、重さは800匁(約3kg)ぐらいです。 槍の場合は根元を持つわけではないので、間合いは槍の長さよりもすこし短いのです。 長槍よりもどちらかというと集団戦よりも個人戦向き、武将向きと言えるでしょう。

■竹槍

--/6/1D/3D/1D/8/槍術

だいたい短槍と同じぐらいの長さに竹を切って作る即席の槍です。 根元は普通に断ち落とし、先端を斜めにします。 竹さえあれば誰でも作れます。

■三ツ道具

---/6/1D/3D/1D/13/捕縛術

「三ツ道具(みつどうぐ)」とは、実は一つの武器の名前ではなく、 捕り物に使う三つの長柄武器の総称です。 どれも9尺(約270cm)程度の棒の先端に、 刀などで切り落とされないように、突起のたくさんついた金属をかぶせ、 先端に補器を付けたものです。 どれも、捕り物の際に、相手に致命傷を与えずに捕らえるためのものです。 もし武器をもって暴れていたとしても、三ツ道具さえあれば 安全に、しかも確実に相手を制圧することが出来ます。

■薙刀

15両/5/3D/2D/2/3D/2/6/薙刀術

薙刀、あるいは長刀と書いて「なぎなた」と読みます。 6尺(約1.8m)ほどの棒の先に、 刃渡り1尺5寸(約45.5cm)ほどの反りの強い刃を付けた武器です。 江戸時代では、 武士の婦人たちの護身用の武器として用いられました。


六ノ六ノ四 格闘用の武器

素手戦闘を補強する役目を持つ武器です。

■十手

---/1/1D/2D/2/4D/15/柔術(捕縛術)

よく間違われますが「じって」と読むのが本当です。 十進法を「じっしんほう」と読むのが正しいのと同じですね。 捕物のための武器として有名です。

太さ5分(約1.5cm)の金属の丸棒に 鈎(かぎ)が付いているものです。 最も有名な町奉行所の十手にしても、 長さや材質、形状は身分(与力・同心・岡っ引)によって異なります。 普通、捕物帳で登場するのは、1寸(30cm)から1寸2分(36cm)ぐらいです。

特殊ルール  十手で「太刀」「打刀」「脇差」「木刀」による攻撃の「受け」に成功した場合、 さらに加えて、《柔術(捕縛術)》と相手の武器技能の対抗判定に勝利したならば、 相手の武器を折ることができます。


六ノ六ノ五 発射武器・投射武器

発射武器とはすなわち、なにかの機械的な力によって飛ばして遠距離攻撃を行う武器、 投射武器とは人間が投げつけて遠距離攻撃を行う武器です。

■長弓

12両/480/---/2D/---/4/弓術

見ての通り、7尺5寸(約2.25m)ほどの長くて大きい弓です。 時代劇などで殿様が練習するシーンがときどき出てきます。 現在の競技弓道でも、長弓が用いられます。

■半弓

4両/120/---/3D/---/5/弓術

長弓の半分ほどの大きさの弓です。 猟師が使う弓はこの半弓であることが普通です。

■火縄銃

120両/120/---/1D/---/3/砲術

別名を種子島ともいいます。射程距離こそ短いですが、威力は弓をはるかに 上まわります。 なお、火縄銃は弾を込めるのに6ターンの時間を必要とします。

■短筒

100両/40/---/1D/---/5/砲術

一言で言えば小さな火縄銃、言いかえればピストルです。 コンパクトで扱いやすく、威力も十分ですが、 国産のものはほとんどなく、ほぼ抜け荷(密貿易)によってしか得られないのが 最大の欠点かもしれません。 なお、短筒は弾を込めるのに4ターンの時間を必要とします。

■吹き矢

2分/20/---/3D/---/7/なし

見ての通り、吹き矢です。 適当な長さの筒に小さな針状の矢をつめ、息を吹き込んで飛ばします。 この武器は購入するものではなく、自作がふさわしいでしょう。

■手裏剣

100文/30/1D/3/2D/1D/7/手裏剣術

和製の投げナイフです。 「手の裏の剣」という字からも分かるとおり 非常に高い隠密性を持ち、そのため忍者が使う武器として知られています。 様々な形状のものが存在します。


六ノ六ノ六 武器でない武器

武器ではありませんが、武器になりうる道具の中で代表的なものを挙げます。

■つえ

1両/3/2D/2D/3D/14/棒術

先ほど説明した「杖」とは異なり、 こちらは歩行の補助として使う「つえ」です。

■なた

1両/1/1D/---/2D/8/なし

木を¥ruby{割}{さ}いたり、まきを割ったりする肉厚の刃物です。 形状は菜切り包丁の刃がうんと厚くなった感じです。

■木槌

1両/2/1D/---/1D/8/なし

大型の木槌です。「掛矢(掛矢)」ともいいます。 土木工事や攻城戦などで用いられます。

■もり

1両/5/---/3D/1D/7/なし

漁師が魚を取るのに用いる道具で、 長い棒の先に逆V字の鈎(かぎ)をたくさん付けたようなものです。 この鈎によって、一度刺さった魚が暴れても抜けないようになっています。


六ノ六ノ七 身体武器

ここでは、身体武器の中でも一般的な「殴り」「蹴り」、 それと身体武器ではありませんが「投げ」について説明します。

■殴り

---/1/1D/3D/2/1D/13/柔術

「男は拳(こぶし)で語るもの」です。 何も武器を持っていない場合には最も信頼できる闘争手段の一つです。

■蹴り

---/1/2D/2D/1D/13/柔術

和服を着ていると多少困難ですが、 それでも日本古流の柔術や拳法には蹴りの技が存在します。

■投げ

---/1/2D/---/---/特殊/柔術

相手の体制を崩して、重心を中心に回転させつつ移動させ、地面そのほかに 体制を崩してたたきつける動作です。

特殊ルール  「投げ」に対しての防御は「かわし」でなければなりません。

「投げ」が成功したならば、致死判定の代わりに「気絶判定」を行います。 これは致死値を8とした致死判定と同じように判定します。

気絶判定に成功したならば、相手は気絶します(もちろん戦闘不能状態になります)。

気絶判定に失敗しても、相手は倒れているところを起き上がってくるので、 こちらが非常に有利です。次のターンの〈気合い〉〈精神力〉に+3することが できます。


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