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あとがき


お久しぶりです。

江戸時代ワールドガイド「江戸空間」はいかがだったでしょうか?

今回は、始動が夏コミ終了直後で、発行が冬コミとかなりの突貫工事でした。そのためか内容的には少し弱いものになってしまいました。本来ならもう少しつっこんだ内容で、図版も多く入れたかったのですが、やはり夏コミと冬コミの間は短いですね。


「江戸空間」がここまで短い期間で、とりあえずの完成を見たのは、資料集めの時間が短縮できたということがありました。新たにサプリメントを起こすには、まず資料集めから始める必要があります。江戸の生活や町並みについての資料を、とりあえず自分の手持ちの資料から漁ってみると・・・まあ、あるわあるわ。折に触れて何となく買っておいた資料群がこんなところで役に立ちました。しかし、その割に必要なことや、どうしても知りたいことがどれみても載ってなかったりして、結構苦労させられました。そういうときには、神田の書店の専門書コーナーを漁り、なんとか資料を探し出したりしました。

また、製作期間が短縮に欠かせなかったのは、やはりパソコンです。時代劇という古風なテーマの本を作っていながら、 仲間との打ち合わせは電子メールの利用がほとんどですし(メンバーの小笠原君なんて、現在はアメリカから製作に参加してます)、切絵図のランドマーク作成にはパソコンソフトの「江戸東京古地図散歩」と、インターネットのホームページをよく参考にしました。原稿作成用に、仕事の出先にいつもノートパソコンを持ち歩いています。我々のような同人作家にとっては、パソコンはもう、なくてはならないアイテムになったことを痛感しました。


実は、本書執筆のために江戸の名所めぐりを、デジカメ片手に敢行したのですが、そのデジカメのデータは結局本書に生かすことはできませんでした。いずれ何らかの形でご披露できるといいのですが。


タイトルの「江戸空間」は、作家の石井英輔先生の作品です。現在は講談社文庫から「大江戸生活事情」というタイトルで発売されています。この本は、今回の執筆に当たって、世界観構築の根本的な視点を提供してくれました。また、石川先生は「大江戸神仙伝」をはじめとする「大江戸シリーズ」の執筆もされています。このシリーズの主人公・速水洋介は、現代から江戸へとたびたびタイムスリップし、その目を通して我々に江戸の息吹を伝えてくれています。このサプリメントを手に取られた方には一読をお勧めします。


さて、「秘伝の声」は第三版になり、サプリメントはすべて第三版に対応したものを製作していきます。今後も膨大なデータに裏付けられたリアルな世界観を売りにした展開をしていこうと思いますので、どうぞ応援してやってください。


最後、私のへたくそな文章を根気よく読み続け、丁寧に修正意見を出してくれた火盗改メのメンバーに心からの感謝を。彼らのチェックなしに、本書の信頼性は語ることができません。「大江戸N◎VA」を出しているRPGサークル「からくり屋」の皆様方に大いなる敬意をもって本書を捧げます。「大江戸N◎VA」「新星帝都」の二冊にはどれほど刺激を受け、参考にさせていただいたかわかりません。今後もぜひ素晴らしい作品を見せていただけることを期待しています。また、いつも私の同人活動を応援してくれる不確定名わーうるふのメンバー、岩倉遼子先生、マリオネット工房のDr.リー氏(エルジェネシスの同人誌コンテスト、入賞おめでとうございます)に感謝いたします。タイトルの「江戸空間」の著者・石川英輔先生に心から謝意を表します。石川先生の作品群に出会わなかったら、本書は教科書以上に味気ないものになっていたことでしょう。本当にありがとうございました。

そしてもちろん、本書を手に取っていただいた皆様にも、ありったけの感謝を込めて。 「まだまだこれからだ」

また次回作でお会いしましょう。

「虹野沙希・Over the Rainbow」を聴きながら

富田浩之



本書に掲載した江戸切絵図は人文社・古地図ライブラリー「江戸切絵図」より引用させていただきました。

なお、本書は同好の志に対してのみ配布する物であり、人文社の著作権を侵害する物ではありません。


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